ハンター学園 文化祭1
「おぉ、さすが金持ち学校、設備揃ってんなー」
「フン、金持ちの道楽ね」
先日ソフィアに招待され、“蜘蛛”の一部メンバーはハンター学園の文化祭にやってきていた。フェイタンは勿論、フィンクスにマチ、シャルナークやシズクなど。
「それでアタシら今どこ向かってんの?」
「とりあえずソフィアのクラスだろ。喫茶やってんだってよ」
「そりゃいい。俺喉乾いてたんだよね」
ソフィアのクラスである1−Cに着くとそこには何故か行列が出来ていた。
「おいおい何だこりゃ」
「凄い人気だね」
「あたし並ぶのって苦手なんだけど」
「全員蹴散らせば済む話ね」
「だめだよフェイタン。ここで問題ごと起こしたら、僕たちを招待したソフィアが怒られるよ。フィンクス、確かソフィアから整理券貰ってなかった?」
「あ?これのことか?」
フィンクスが持つパンフレットの中には、ソフィアが事前に渡してくれていた整理券が一枚。在校生から招待されると一枚付いてくるこの整理券を使えば、一回だけ優先的に出店を利用できる仕組みになっているのだ。
「今が使い時だね。多分こんなに人気なのって此処だけだよ」
シャルナークの読み通り、実はこの客の殆どは学園の男子たち。恐らく学園の高嶺の花、ソフィアが目当ての奴らばかりだ。
整理券を使ったことで一分も待たないうちに、ソフィアのクラスの「童話喫茶」なるものに入店できた。そして一行が目にしたものは、
「なんだここ…」
「不思議の国のアリスに、小人たち、あっちにはピーターパンもいるよ」
「なるほど。それで童話喫茶か」
世界の童話をモチーフに、様々なコスプレをした生徒たちが給仕をしていた。
「皆さん、来てくれたんですね」
「ソフィア、あんたその恰好は…」
「赤ずきんをしているんです。ご案内しますね」
フード付きの赤いケープを被って、赤いワンピースにフリルのあしらわれた白いエプロンを付けており、さらに腰回りは黒のコルセットを巻いているのだから、“赤ずきん”というより、“ちょっと大人の赤ずきん”といった方が正しいだろう。それを普段清楚な美少女が着ているあたり、これは運営側の企みも感じられた。
「お飲み物は何にされますか?」
「あー…じゃあ、ミルクティー」
「私もそれでお願いします」
「俺はコーラ」
案内されたテーブルで各々が注文を伝え終えると、ソフィアはオーダーを裏方の方へと持っていった。
「あの子、至っていつも通りだけど、ちょっとは羞恥してるかと思ってた」
「まぁこれだけコスプレしている中にいたら最早気にならないんじゃないですか?」
「でもよく似合ってたよね、いつもと雰囲気違って見えるし。フェイタンはどう?」
「……」
シャルナークが声をかけても、フェイタンは返答しない。彼の視線はただ一点に注がれてる。先程ソフィアが入って行ったスタッフ専用口の方に。
(なんだ、やっぱ気になるみたいだね)
これは自分たちが出るまでもないかもな、そう思ったシャルナークであった。
***
「ありがとね、ソフィア。今日は誘ってくれて」
「いえ、いつも皆さんにはお世話になっているので」
「この後も手伝いあるの?」
「今日は午前中だけなので、この後は特にないですね」
「じゃあ折角だからフェイタンを案内してあげてよ」
「「!?」」
「俺とフィンクスはこの後行きたいとこあるんだけど、フェイタンは特に決めてないみたいだからさ」
「シャルナーク急に何言い出すか」
「そうだぜ。大体そんな話聞いてね――いでっ!!何すんだマチ!」
「いいからアンタは黙ってな」
「フェイタンさんがいいなら…私は、構いません、けど…」
「だってさ」
「………チッ」