十九

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 そして、次の日。寝過ごしたナルトをタズナの家に置いて行き、カカシ、サスケ、トモエ、サクラ、そしてタズナは橋の建設場所を訪れていた。
しかし、いつもならば何人かの男達がタズナと共に橋を作っていた場所は、戦場と化すことになる。

 「来るぞ!!」

 カカシの鋭い声に、全員がサッと辺りを見回す。
 いつの間にか周りには霧が立ち込めていて、前に戦ったときの記憶を思い出させる。
 タズナ以外の四人がクナイを構える中、不気味な声がこだました。

 「久しぶりだな、カカシ。相変わらずそんなガキを連れて…また震えてるじゃないか。
 それに、あの時の小娘まで…俺の水分身を一体倒すのに、どれだけ時間がかかったんだ?ククク…」

 そして、その直後。瞬きをした瞬間、カカシ達の周りに何体もの再不斬の水分身が出現した。
 全員が大きな刀を手にしており、そして皮肉の篭った笑みを浮かべている。
 しかしサスケとトモエは動揺することなく、クナイをきつく握り締めた。

 「武者震いだよ!!」
 「前とは、違いますよ」

 その言葉に再不斬達はニィ、と口端を上げた。そんな中、カカシが笑顔で二人に声をかける。

 「やれ。サスケ、トモエ」

 カカシの声を聞くと同時に、サスケとトモエが同じタイミングで動いた。
 それと同時に再不斬の分身達も一斉に動き、刀を振り上げる。

 一瞬、だった。

 サスケとトモエは両手にクナイを構えると、飛び掛ってくる再不斬達を次々に斬りつけていく。
 斬られると同時に分身達は水となり、音をたてて地に流れていった。

 つい一週間前は、水分身一体を倒すのに全てのチャクラを使い切ったトモエ。
 しかし今回は一切忍術を使わず、そしてサスケと共に一瞬で全てを片付けたのだ。
 これには再不斬も予想外だったらしく、僅かに驚いた表情を見せた。

 「ほー、水分身を見切ったか。あのガキ共、かなり成長したな…」

 そう言いながら、再不斬は後ろにいたお面の少年…白に声をかける。

 「ライバル出現ってころだな…白」
 「そうみたいですね」
 
 「アイツは俺とトモエがやる」
 「はい?」
 「ヘタな芝居しやがって…俺はああいうスカしたガキが一番嫌いだ。それに、俺とトモエは互いの動きを十分理解している。二対一が卑怯だとは言わせないぜ」
 「カッコイイサスケ君…!」

 スカしたガキって…それ自分で言っちゃいますか。

 そんな事を考えたが口には出さず、そのまま素直に頷く。
 取りあえずサスケの隣に並び、トモエは再びクナイを握り締めた。

 「たいした子達ですね」
 「だが先手は打った。行け!」
 「ハイ」

 再不斬の声と同時に、白が一直線にサスケ達に向かってくる。
 一気に距離をつめられて千本が二人に向けられるが、それをサスケとトモエが受け捌いた。

 速い。
 とにかく、その一言に限る。

 サスケが白の千本を受け止め、彼が印を結ぶのを封じた。
 その隙を狙ってトモエは白の背後に回り、クナイを突きつけようとする。が、白は片手で印を結んだのだ。
 普通、忍術を使うには両手で印を結ばなくてはならない。
 しかし、白はそれをやってのけたのである。

 (なにィ…!?コイツ、片手で…!!)
 (片手の印なんて、覚えがない…!)

 目を見開くサスケとトモエ。二人のクナイの刃が届く前に、白は印を結び終えた。

 (秘術・千殺水翔!)

 直後、サスケとトモエに向かって、大量の水が飛んで来た。
 しかも、ただの水ではない。先端が針のように尖っており、人体を貫くなど安易にできるだろう。

 「サスケ君!!トモエ!!」

 サクラが二人の名前を呼ぶ声がする。サスケは印を結び、足元にチャクラを込める。

 (思い出せ…あの修行を!チャクラを一気に練り上げ……脚へ!)

 その直後、サスケの姿が消えた。否、正確には消えていない。上に跳んで、針のような水を避けたのである。
 そして、一方のトモエもまた、木登りの修行を思い出している。印を結び、そのまま一気にチャクラを開放した。

 途端、トモエの身体から水が現れる。体内のチャクラを水に変換してつくる水。
 トモエから発せられた水は、白の尖った水を吸収し、威力を無くしていく。
 サスケと再び交戦しながら、白はその光景に仮面の中で目を見開いた。

 (僕の水を…自身のチャクラから出来た水で吸収した…!?馬鹿な、あの威力の水を…!!)
 「余所見してんじゃ、ねェよ!」
 「!」

 不意をついたサスケの攻撃に、白の体勢が崩れる。

 「トモエ!!」

 サスケに答えるが同時にトモエは印を結び、吸収して大きくなった水を一気に動かした。

 水遁・水乱波!

 普段より量の多い水が白に向かい、そして一気に吹き飛ばす。
 飛ばされた白はなんとか体勢を立て直すも、ダメージはかなりのものだったらしい。

 (何っ…!あの白が吹き飛ばされるとは…)

 予想外の展開に、再不斬も目を見開く。
 カカシはサスケとトモエに目をやりつつ、再不斬に向かって言葉を発した。

 「ガキだガキだとウチのチームをなめてもらっちゃ困るね…
 こう見えても、サスケは木ノ葉の里のナンバーワンルーキー、
 サクラは里一番の切れ者、
 そして、トモエは様々な忍術をも扱う天才術使い、
 最後は、目立ちたがり屋で意外性ナンバーワン、ドタバタ忍者ナルト」

 そういうカカシの顔は、なんだか誇らしげな気がした。
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