四十九

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 「この『本選』お前らが主役だ!」

 本線当日、会場に着いたトモエを含めた本選出場者達を前に本選の審判であるゲンマがそう告げた。しかしおかしい。サスケと、第一試合でトモエと戦うはずのドス・キヌタの姿がない。

 キョロキョロと辺りを見渡すナルトやシカマルに気付いたのか、オロオロせず顔をしっかり客に見せておけとゲンマが注意をした。

 その頃、三代目火影はまだ来ていないサスケについて木ノ葉の忍と話し合っていた。
 暗部数名がかりで探しても居場所がわからないらしい。もしかするとすでに大蛇丸の手に渡っているかもしれない。火影はただサスケの無事を願うしかなかった。

 するとその時、火影の元に一人の忍が歩み寄って来た。

 「おお、これはこれは…風影殿!」

 我愛羅たち砂隠れの長、風影だ。火影は風影とちょっとした会話をした後、そろそろ始めるかと腰を上げた。

 「えー皆様この度は木の葉隠れ中忍選抜試験にお集まりいただき誠にありがとうございます!これより予選を通過した九名の『本選』試合を始めたいと思います!どうか最後までご覧ください!」

 その火影の言葉を聞いた出場者たちは動揺した。確か予選を突破したのは十人だったはず、一人足りないのだ。するとその様子を察したのか、ゲンマが口を開いた。

 「試合前に少し言っとくことがある。これを見ろ!」

 彼が見せてきたのはトーナメント表だった。しかしそこにはトモエと戦うはずだったドス・キヌタの名前がない。よってトモエはシードのような立ち位置になり、テマリ対シカマルの勝った方と戦うことになっている。
 トーナメントで変更があったから自分が誰と戦うことになるかもう一度確認しろ、とだけ説明された。

 ドスは棄権でもしたのだろうか、トモエはそう考えていた。だが、我愛羅に勝負を挑んできたドスを我愛羅が返り討ちにし殺したという真実は誰も知る由もない。

 「あのさあのさ!まだサスケが来てないけどどーすんの?」

 手を挙げたナルトがそう質問した。

 「自分の試合までに到着しない場合不戦敗とする!」

 ナルトは頭を抱えた。サスケならばどんなに具合が悪かったとしても無理をして出てくるはずだ。ナルトは考えるのをやめ、サスケが来るのを信じることにした。

 ゲンマは本選について説明を始めた。予選の時と地形は違えど、負けを認めるか死ぬかで試合が終了。それ以外のルールは一切なしということは変わらない。審判が決着がついたと判断した場合もそこで終了だ。いよいよこれが最後の試験である。


 まずは第一試合、ナルト対ネジだ。

 それ以外の出場者は会場外、二階部分にある控え室まで下がることになった。

 「ナルトくん、キミなら大丈夫ですね。応援してますよ」
 「おう!ありがとなトモエちゃん!」
 
 親指を立てたナルトにトモエは微笑みを浮かべた。
 シカマルは早く行くぞとトモエの腕を取ったが、ナルトに背を向けたままグッと右手を上げた。不器用な彼なりの応援だと気付いたナルトはニシシと笑顔になる。

 ネジと向かい合ったナルトをみた観客席の人々は、ほとんどがナルトに勝ち目はないと考えていた。
 しかし予選でナルトと戦ったキバはナルトの意外性を知っていた。アイツを舐めてると痛い目をみることになる、キバはこの試合のナルトに期待していた。

 ふと肩に乗っている赤丸を見ると、どうやら怯えているようだ。どうした?と尋ねると赤丸がクーンと弱々しく答えた。

 「なんだって…!」

 周りを見渡したキバは観客席の後ろに暗部がいることに気付いた。何故暗部がこんなところに…。キバは得も言われぬ不安を感じた。

 「では第一回戦、始め!」

 ゲンマの声で、本選の幕が切って落とされた。
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