五十五 木の葉潰し

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 風影は火影を捕らえ、自分の周りに誰も入ることのできない結界を張った。
 そこで火影は理解した。音と砂が組み木の葉を裏切ったのだと。

 我愛羅の元にはカンクロウ達が集まってきている。作戦を実行しようとするが、肝心の我愛羅が頭を抱え呻いている。
 術の副作用だ…。そう判断したバキはカンクロウとテマリに作戦は中止、我愛羅を連れていったん退けと命じた。

 「先生は…!?」
 「俺は参戦する…行け!」
 「う…うん!」

 サスケは我愛羅を連れて逃げるカンクロウ達を目で追う。

 「おい!なにがどうなってる!」

状況が読めないでいるサスケにゲンマが答えた。

 「サスケ、中忍試験はここで終わりだ。
お前は既に中忍レベルだ…木の葉の忍びなら里のために働け」
 「要するに、我愛羅の野郎をぶっ飛ばせばいいんだな」
 「深追いはするよ」

 サスケは訳も分からぬままその言葉に従い三人の後を追う。それを観客席からトモエがみていた。

 一方客席では砂の忍びと木の葉の忍びによる戦闘の音が響く。トモエはこのままここで見ているだけではダメだと思い、足を動かそうとしたが、丁度こちらに敵が向かってきていた。
 しかし――

 「…ぐぁあああ!!」

 トモエが触れるまでもなく、相手は悲鳴を上げた。

 「口寄せの術」

 雪箆家に伝わる口寄せ動物――白銀の毛並みをした美しい狼、白狼はくろうがそこにはいた。

 白狼はその大きな口で敵を掴み、鋭い牙が噛み殺していた。そしてトモエは白狼の背中に飛び乗ると、サスケと我愛羅を追うため観覧席を飛び出し、外へと向かった。

 「トモエ!まて、戻るんだ!」

 それを見たカカシが止めようとするも、トモエは振り返ることもせず、そのまま森の方へ飛んでいった。


 
 「我愛羅は役に立たなかったか…」

 風影も退く彼らをみていた。しかしその顔にはまだ余裕があり、私の勝ちだと火影を煽る。

 「フン…全てのことはその終わりまで分からぬ。そう教えたはずだったな…大蛇丸」

 そう、風影だと思われていたのは彼に扮した大蛇丸だったのだ。
 木ノ葉の里を抜ける前自分の師であった三代目火影の首にクナイを当てたまま、大蛇丸は告げる。

 「言ったはずですよ…早く五代目をお決めになった方が良いと…三代目、あなたはここで死ぬのだから」

 ***

 「逃しゃあしねーよ!」

 サスケはようやく我愛羅達に追いついた。
 サスケの動きが止まったことはパックンによりナルト達にも伝えられ、きっと追いつくことができたのだと彼女達は安堵した。
 しかしパックンによれば自分達以外にもサスケの後を追っていた者がいると言う。敵か味方か、それは定かではないがパックンが感じたことがある。

 「人じゃない…!」

 サスケは我愛羅達の前に立ちはだかる。すると我愛羅に肩を貸していたカンクロウはその役をテマリに譲った。

 「テマリ、我愛羅を連れて先に行け!」
 「ああ…」
 「しょーがねーじゃん…お前の相手俺がしてやるよ!」

 サスケは闘うしかないのだとカンクロウを睨みつける。

 「いや…お前の相手はこっちだ…!」

 突然聴こえてきた声の方を見ると、そこにはシノが立っていた。驚くサスケにシノが何故追いついたのか説明する。
 シノはサスケが会場を出る前、彼に雌の蟲を付けた。同種の雄だけがほぼ無臭のその雌の臭いを嗅ぎつけることができる。それを頼りにここまで辿り着いたというわけだ。

 「やっと追いつけましたか」

 次に現れた人物に更に驚くサスケ。

 「なっ…トモエ!お前何で…つーかそのデケェ狼は何だ!?」
 「私の口寄せ動物、白狼さんです。素敵な毛並みをしているでしょう?」

 トモエが自慢気に白狼の毛並みに触れると、狼もそれが嬉しいのか猫のように喉を鳴らした。その光景に若干目を奪われつつも、サスケは二人を見据えた。

 「うちはサスケ、雪箆トモエ…お前たちは我愛羅を追え。俺はこいつとやる。なぜなら元々こいつは俺の相手だったからだ。ここは任せろ。行け!」
 「えらい強気だが…大丈夫かよ?」
 「心配はいらないな…十分もあればお前の援護に行ってやる」
 「フン…その頃にはこっちも終わってる」

 シノはそう言うとカンクロウと向き合った。
サスケとトモエはそんな様子を見つつ、足早に我愛羅達の後を追った。
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