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最近、ジョングクとユリの仲が良くなっている気がする。
今までの二人はどっちかっていうと、お互いに興味がないのか進んで会話する方じゃなかったのに。もちろん二人が仲良くなるのは歳が近い俺としても嬉しい。やっぱり仕事でも一緒に組まれることが多いから。
でもメンバーの中で一番最初に懐かれたのは俺だし、ユリも俺にだけは心を開いてくれてると思う。その証拠に、
「オッパ、何か言いました?」
「別にー」
ユリが唯一、オッパって呼ぶのは俺だけだもん。まぁ、最初の時にそう呼んでって言っちゃったのもあるけど。それでも自主練するときは最近、「オッパも来ますか」って俺にだけ声をかけてくれるようになったし、最初の頃より大分距離が縮んでる。
もっとユリと仲良くなりたい、最近はそう思って前よりユリの傍にいようとするけど。
「昨日、DVD貸してくれてありがと」
「もう見たんですか?早いですね」
「時間あったから」
いつの間にかユリの横にはジョングクがいて、俺の知らない間にDVDを貸しあう仲になっていた。
「……あのさ、今度――「ユリぃ、おなかすいた」
ジョングクが話を続ける前に、二人の間を割ってユリの背中に飛びつく。ユリは体勢を崩されたことで「うわっ」って言いながらも、俺の方にちゃんと手を回してくれるあたりが本当優しい。
「おなかすいたって、オッパ、朝ごはん食べてないんですか?」
「うん、さっき起きた」
「じゃあ……、今から作るのは面倒なので、どうせなら何処か食べに行きますか?」
「ッいいの!?」
まさかユリの方から誘ってくれるなんて。嬉しさのあまり眠気も今までのモヤモヤも全部吹っ飛んでいく。
「オッパがいいならですけど」
「行く!行く!やった!」
「この間もごはん奢ってくれましたし、今日は自分が出しますよ」
「えー、いいのに。そういうのはオッパの役目じゃん」
俺がユリにくっついて二人で話をしていると、さっきまで横にいたジョングクはいつの間にかいなくなっていた。自分の部屋にでも戻ったんだろう。弟には悪い気もするけど、やっぱりこの位置は譲れないかな。
***
TH「ユリ―」
「お、も…い、…オッパ…」
JM「ヤー!テヒョナ、ユリが潰れちゃうよ!」
TH「んー、ユリ〜」
NM「最近のテヒョンはユリにべったりだな」
無関心から少しだけユリに興味を持つようになった最近、目につくのはヒョン達(特にテヒョナ)とユリの関わり合いだった。
ジニヒョンやナムヒョンあたりの年上メンバーとは世話をする親と子供って感じだけど、テヒョナとかになるとまた違ってきたりする。その中でも、俺が見たあたりこの二人はユリとの距離が特に近いような気がした。
YG「おい、そろそろ離してやれ。どっか痛めたら仕事になんねーぞ」
ユリが自分の作業室にいることを唯一認めているらしいユンギヒョン。会話からすると世話焼きの兄って感じだけど、消極的なユリがよく頼れる人っていうイメージもある。
TH「はーい…。仕事終わったら部屋行くね、昨日話してたDVD持ってくから」
そしてメンバー内で一番ユリと一緒にいるテヒョナ。この間、俺がユリに声をかけたときも、当たり前のように入ってきてそのまま二人だけの空気に持っていったぐらいだ。
ユリへの印象が変わってから、今まで空いてしまった距離をできるだけ俺なりに縮めようとしてみるけど、それと同時に思い知らされる。
会話をするようになってもまだまだ俺とユリには見えない壁があって、
反対にヒョン達の方は、俺がユリと関わってこなかった間、たしかに彼女に歩み寄っていったということ。