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ここ最近、やっとユリのことがよく分かってきて、さらに言えば秘密を教え合えるほどの仲になってきた。仕事でも以前より絡むから、ARMYたちからも俺たち二人を別の総称で呼ぶほどになっているらしい。
そんな俺だけど、反面教師のテヒョニヒョンみたいに独占欲丸出しにはなりたくない。なのに、仲の良い彼女の視線が他にいくのはちょっと嫌だった。なんていうか、そっちばっかり見なくても、って思っちゃうんだよなぁ。
「ユンギさん。ユンギさんが使ってるヘッドホンってどこのメーカーのですか?」
「あ?んー…なんだっけな。…何?気になるの?」
「自分の使っているのが最近調子良くないので…新調しようかと思って」
「ふーん…」
「ユンギさんならそういうのは詳しいって、ナムさんが言ってました」
「まぁ別に、たいしたわけじゃないけど。……今度一緒に見に行くか?」
「いいんですか?」
「俺もスペア買っときたいし」
「それじゃあお言葉に甘えて、ご一緒させてください」
「ん。じゃあ後で空いてる日連絡しろよ、適当に合わせる」
「はい、お願いします」
―――別に聞き耳を立てるつもりはなかった。
偶然事務所の廊下でユリを見かけて声をかけようとしたら、その隣にヒョンがいるのが見えて、何だか急に言葉が出てこなくなったのだ。
そしてそのまま立ち尽くしていたら、結局二人の会話を最後まで聞いてしまった。
一緒に出掛けるのか。…二人だけで。
いや別にメンバー同士、変じゃないけど。
でもなぁ、なんてよくわからないモヤモヤを抱えたまま俺は宿舎に戻った。
そしてその日の夜、ご飯終わりにユンギヒョンがユリに声をかけた。
YG「今度の土曜でいいか?」
「大丈夫です。何時頃行きますか?」
YG「俺、あんま早いの嫌だから11時ぐらい」
「分かりました」
JH「お?どっか出掛けるんですか?」
YG「こいつのヘッドホン選びに付いていくだけ。まぁ俺も自分の買うんだけどな」
「自分はそういうの疎くて…でもユンギさんなら頼りになりますし」
YG「別にそんなんじゃないけど…」
JN「あんま高すぎるの選ぶなよー。ユリ、ユンギと一緒に行くなら結構持っていかないと大変な目に合うからね」
YG「性能の良いやつ買うとそれなりにするのはしょうがないでしょう。妥協したくないですし」
JN「それとユリのことちゃんとエスコートするんだぞ?人混みとかは極力避けたりな、あとは…」
YG「ヒョン、子供じゃないんですからそれぐらい分かってますよ」
JN「それと帰りに夕飯の材料買ってきてよ」
YG「いやマジでおつかいじゃないっすか」
愕然と肩を落とすユンギヒョンを見て笑うヒョンたち。ユリはそれを見て、すいませんと謝っていたけど、お前のせいじゃないってユンギヒョンが頭を撫でているのが見えた。
独占欲丸出しにはなりたくない。
でも、このまま黙って見ているのも癪だった。
「ヒョン、僕も一緒に行っていいですか?」
JN「お前もヘッドホン壊れたのか?」
JH「あれ?ジョングガこの間買ったって言ってなかったけ?」
JN「まさか…お前も破壊神だったのか?!」
「いや、その…スピーカー買おうと思って」
JH「そっちの方がいっぱい持ってるじゃないか〜!どんだけ欲しいんだよージョングガァ」
「ヒョン…ダメですかね?」
YG「…好きにしろ。どうせ行くとこ一緒なんだろ」
「ありがとうございます!」
自分でも結構嬉しかったのか、思わず腕をガッツポーズにしてしまい慌てて戻した。するとそんな俺を黙って見ていたユンギヒョンが、
YG「ジョングガ」
「はい?」
YG「お前さ…もしかして、」
その鋭い目をさらに鋭くさせてくるから、俺は何を言われるのかと思わず身構えてしまった。
YG「……いや、何でもない。気にしないでくれ」
「あ、はい…」
結局、言葉を濁らせてそのまま部屋へと戻っていったヒョン。何か言いたげだったけど、その先を聞くのが怖く感じたのは俺の気のせいだろうか。