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 きっかけは先日から。…否、もしかしたらずっと前からかもしれないけど。
 ユリがユンギヒョンのために身のまわりの世話をしていたとき、なんでそんなにしてあげるの、って。そのちょっと前には俺のためにご飯作ってくれたのに、ユリが俺意外の誰かのために動いているのが気に食わなかった。
 その前もテヒョニヒョンの意味分かんないプロポーズ宣言に(結局本人には届いてなかったけど)返事してたときも、なんでなの、なんでそんなこと言うの、って。思い返せば他にも色々出てくる。

 それにユリは前にこう言ってた。
 ユンギヒョンの作業室が落ち着くって。
 それって俺と一緒にいるより良いってことでしょ?

 ―――俺はユリと一緒にいると落ち着くのに、ユリは他の誰かと一緒が良くて、それが…なんだか悲しかった。

 「……ヒョン、俺………ユリが分かんない。
やっと仲良くなって…心開いてくれてたのに、ユリ見てると…時々、自分でも分かんないけど……苛々しちゃうんだ」
 「…そっか」
 「俺と一緒のときはそんなの思わないのに、他の誰かがいると……」
 「嫌、なんだ?」
 「……はい」
 「メンバーでも?」

 ジミニヒョンの言葉に小さく頷いた。そんな俺をヒョンは叱るわけでもなく、耳を傾けて、優しく応えてくれた。

 「ユリって誰にでも優しいですよね…」
 「そうだね。気配りのできる、本当にいい子だよね」
「きっとそれは彼女の性格とか習慣とかで、多分それ以外に意味はないんでしょうけど……俺は、それが嫌かもしれないです」

 ―――俺以外に優しくしないで、俺以外とそんなに仲良くしないで

 ここでテヒョニヒョンを引き出すのは申し訳ないけど、独占欲の塊にはなりたくないとか言いながら、いつの間にかヒョンみたいになっている自分。
 でも、それだけじゃないかもしれない。なんだろう、この感情って。

 「ヒョン、」
 「んー?」
 「俺、どうしたらいいんでしょう。ユリとこれからも仲良くいたいから、こういう悪い感情は持っていたくなくて…自分の中で整理しようと頑張ってみたんだけど、考えれば考えるほど分かんなくて……」
 「別に悪くないでしょ」
 「はい?」

 「嫉妬なんて誰だって持つ感情だし、俺はそれが悪いこととは思わないけど」

 嫉妬―――?
 え、誰が?誰に?

 「男と女に友情はあるかもしれないけど、そうじゃない時だってあるから、不安に思ったり苛々したりしていいんだよ」

 さっきからヒョンがあっけらかんとして言う言葉にぐるぐると頭が回る。

 友情じゃなくて、“そうじゃない時”。
 そうじゃない時って、それってつまり、


 「あ、」
 「え?」

 それは心の中で言っていたつもりだった。でも、嘘がつけないらしい俺は心の声でさえ口にしてしまうらしく、いつの間にか声に出していた。

 「俺、ユリが――――好きなんだ」

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