番外編:夏だ!プールだ!水着だ!? ー前編ー

番外編:夏だ!プールだ!水着だ!? ー前編ー

 JN「ってことで明日、ホテルの屋内プール貸し切りできるみたいだよ」
 JH「やったー!それならゆっくり遊べる!」
 RM「仕事も一括りついたからご褒美なんですかね。会社に感謝しないと」
 JM「ジョングガ〜、勿論泳ぐよね?」
 JK「当然です。俺、タイム更新したいんですよ」
 YG「俺は本でも読んでよ」
 RM「あ、僕も本持っていこう」
 JH「そういえば水着どうしよ」
 JN「収録で使った水着借りればいいんじゃない?」

 遠方の仕事が連続で続いたなか、ようやくひと段落ついたことでメンバーたちにささやかな休息の時間が訪れた。
 ただ、各々が明日の休日を楽しもうと計画を立てるなか、ユリだけは一人顔を曇らせていた。

 「……」
 TH「どうしたの?なんか考え事?」
 「あ、いえ…」
 TH「ユリも明日プール行く?皆行くって言ってるし、せっかくだから行こうよ」
 「そう、ですね。……あの、オッパ…ちょっと相談してもいいですか?」
 TH「え?」

 何故かソワソワした様子でユリはテヒョンを引っ張って、皆から少し離れたところへ連れていく。周りには聞かれたくない話なのか、テヒョンの耳元へ顔を寄せて小声で話した。

 「……じ、自分……水着を…その…」
 TH「水着?」
 「…女性用の……が、着てみたくて……」
 TH「ビキニ着たいってこと?」
 「こ、声が大きいです…っ」

 ユリが収録で来ていた水着は上下セットのサイズ大きめの男性用、しかもできるだけ女性らしい身体のラインが出ないよう上からシャツを着ていたから、実質水着姿のユリは映っていなかったのだ。
 カメラの前では女性らしさを手放すユリだが、貴重な休日で、プールを貸し切って遊べるなんて早々ない機会だ、折角なら一時だけでも普通の女の子と同じように遊んでみたいのだろう。屋内プールなら、外と違って誰かに見られる心配もないし。
 しかしいつも一緒にいるメンバーの前で、改めて女性らしいものが着たいと言うのはどうにも恥じらいが生まれてしまい、こうしてテヒョンにだけ打ち明けることになってしまったらしい。

 そしてそれを聞いたテヒョンの方はなんて可愛い子だろうと、妹分の愛おしさがどんどん増していくのを感じていた。メンバーのなかで自分にだけ本音を言ってくれているのも、特別感があってまた良かった。

 TH「じゃあ着ようよ。恥ずかしかったら皆とは時間ずらすとかすればいいし」
 「……けど、女の子の水着は持ってないから、どうしようかと…」
 TH「え?それなら買いに行けば良くない?たしかホテルに水着売ってる店あったし、今から買いに行こ。ね、オッパも一緒に付いて行ってあげるから」
 「付いてって、あの、それはちょっと、え、オッパ?」
 TH「ヒョーン!僕たちちょっと買い物行ってきます!」
 JN「おーう。夕飯までには帰ってこいよー」
 TH「はーい!」
 JH「ヒョン、引率の先生みたいだ」
 JK「……」
 JM「ジョングガ〜これさ、…うお!なに、誰か殺す気?」
 JK「あの二人……」
 JM「テヒョンアとユリ?」
 JK「……怪しい。…ジニヒョン、俺もちょっと出かけてきます」
 JN「んー。お腹がすいたら帰ってきなよー」

 ***

 TH「あ、これ可愛い」
 「ちょっと露出が…」
 TH「じゃあこっちは?」
 「もはやただの布切れです…ッ」

 お店に着いて早々、どんどんユリに水着を当てていくテヒョンだが、彼が選ぶものはどれも露出が激しいものばかり。本人は至って真面目に選んでいるようで、それが逆に怖いのは何故だろうか。

 「自分はもうちょっとシンプルなのが、」
 TH「ユリはスタイル馬鹿良いんだから、もっと見せてくれたって良いんだよ?」
 「ば、馬鹿?…いや、それより見せたいわけでは…」
 TH「あー…でもこんなセクシーなユリを俺以外に見せるのはなぁ………コレはいっそ部屋着にしない?」
 「部屋で着れるわけないでしょう…!?」
 TH「えー、俺の前だけでいいから」
 「嫌です。絶対に」

 段々と目的が別のものになっている気がするのは否めない。このまま流れに沿っていると、とんでもないものを着せられそうになると思ったユリは早めに決めてしまおうと、適当に目についたシンプルな白の水着を手に取った。

 「自分はこれでいいです」
 TH「おー、シンプルだけどその方がユリっぽいかもね。じゃあ明日のはそれにして、部屋用はこっちの…」
 「これだけで十分ですからッ」

 未だに露出の激しい水着を選んでいるテヒョンを置いて、さっさと会計に向かったユリ。
 メンバーのなかで秘密を共有しやすいテヒョンだからこそ、自分の我儘も打ち明けられたのだが、これは話したのが間違いだったのではないかと思い始めていた。

 「(まぁでも……一人だとここまで行動できなかっただろうから…、やっぱり感謝しないと…)」

 心の中では感謝を述べながら、会計し終えた水着を手にテヒョンの元へ戻ったユリだが、

 TH「なんでお前まで来るんだよ」
 JK「別に。適当に買い物に来ただけです。ていうか二人で何をコソコソと、」
 「っ、ジョングクさん?」

 テヒョンの横にはジョングクがいて、先ほどまでいなかった筈の人物に思わず驚きの声を上げてしまう。

 JK「……ユリ、それって…」
 「え、あ、いや、これは別に、えっと…」
 TH「あ、そうか!こっちのは俺が買ってやって、ユリに着て貰えばいいんじゃん!よっし早速これをレジに――」

 二人が固まって見つめ合う一方で、勝手に一人で話を進めていたテヒョンは例の布切れのような際どい水着を手に、レジの方へ足を進めようとしていた。
 しかしそこへジョングクがテヒョンの前に仁王立ちで立ちふさがったのだ。
 
 それでも全く動じなかったテヒョンはそれを避けようと右へ行こうとすればジョングクも同じ方向へ、そして次に左へ行こうとすればジョングクも動く。完全に進路を妨害しようとしていた。

 TH「ジョングガ」
 JK「はい」
 TH「どいてよ」
 JK「ヒョンがそれを元のとこに戻したらどきますよ」
 TH「俺はこれをユリに着せたいの。羨ましかったらお前も買えばいいじゃん」
 JK「な…っ!そんなこと、……ちょっと揺らいじゃったじゃないですかァ…!」
 TH「えぇぇえ、チョロなんですけど」
 JK「くっ…認めたくはないですが…たしかにヒョンの考えは結構良い線いってるとは思います…ッ、セクシーなユリを拝みたいという気持ちは分かりますよそりゃ!ユリ意外と大きいですもんね…!」
TH「そうなの?え、てかグガの方がヤバくない?俺の気のせい?」
JK「でも…!でもやっぱ駄目ですよ!ユリ自身がこういうの嫌いだと思います!本人の意思をちゃんと汲まないと!悔しいですけど!」
 TH「いや本音漏れとるよ。
…あれ?そいやユリは?どこ行っちゃったの?」
 JK「!!なんてことを…!ユリをひとりで帰らせるなんて!ジャングルに子ウサギを置くようなものです!」
 TH「絶対、お前が熱く語ってたせいでしょ」
 JK「俺は追いかけますからヒョンも早く帰ってきてくださいね!あ、それは買っちゃ駄目ですよ!…ユリィいいい!」

 TH「………買ってこよ」

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