番外編:ゾンビvsBTS

番外編:ゾンビvsBTS

 「………」
 JM「大丈夫?」
 「………」
 JN「この子ずっと眉間に皺寄ってるよ〜」
 JK「僕と手繋いでれば大丈夫!」
 「………」
 JK「(ハッ!ユリから繋いでくれた!やった!)」
 SG「さっきから一言も喋らないけどホントに大丈夫か」
 JM「一番重症かもしれないですね」

 眉間に皺を寄せて難しそうな顔をしているもう一人の末っ子をからかっている兄たちだが、さっきまでゾンビを前にして大声で騒いでいた者たちが言える口だろうかと誰もが思っただろう。

 今回の“走れバンタン”は、夜のサファリだと連れていかれたテーマパークで待っていたのはまさかのゾンビだったという話だったのだ。
 彼らはこれからゾンビがたくさんいる実験室でチーム別にヒントを探してミッションを遂行するという、肝試しと推理戦が含まれたゲームをしなければならない。

 そんななかでゾンビを前にしてから一言も喋らなくなってしまったユリ。大声で騒ぐメンバーたちと違って、独特な怯えた方をする子であった。

 幸いにもユリと同じチームはテヒョンとジョングク。ビビりが多いメンバーのなかでも比較的度胸がある子たちが揃っていた。
 そして勿論、このチームが出来上がったのは偶然ではない。
チームに分かれる際にゾンビからカラーシールを奪うミッションで、ジョングクが自分と同じカラーをもう一枚奪って、ユリに渡したからであった。どこまでもユリ主義である彼らしいといえば頷ける。

 そして始まったゲーム。怖がるユリの手を繋いで隣を歩くジョングクと、進んで前を歩くテヒョン。ある一室でヒントらしきものを見つけ、三人でそれを囲って審議しているところ。

 JK「“最も重要なのは血液型”だって」
 「………」
 JK「え?あそこ?ほんとだ!QRコードがある!」
 TH「ユリ、なんか手紙があったよ」
 「………」
 JK「ヒョン!この絵、娘が成長していく絵になってるって!」
 TH「ところでさっきから何でお前たち意思疎通できてるの?」
 JK「愛の力です」
 TH「なんて?」

 喋らないユリの視線や手の動きだけで、何を言っているのか分かるらしいジョングク。本人は愛の力と言っているが、もはやエスパーだ。
 メンバーのなかでも頭の回転が速い彼女の指示に従い、徐々にミッションへと進んでいく三人。

 ***

 しかしその後、暫くしてから全員スタッフに召集されてしまい、結局ミッションは誰一人として遂行することはできなかった。ビビりすぎた他のメンバーたちが隠されたフリーパスを取る過程でごちゃごちゃに混ざってしまい、もはやゲームを進めることはできなかったらしい。

 そして最後にゾンビと氷鬼をすることになったのだが、一向にユリを離す気のないジョングクを兄さんたちが咎める。

 JK「僕がユリを守ります!」
 JM「鬼ごっこなんだから二人一緒は駄目だって」
 SG「バラバラに走らないと意味ないからな」
 「………ぅ、」
 JK「あ!しーっ!!静かに!ユリが喋ってます!」
 JH「だからなんで聞き取れるんだよ」
 「………」
 JK「なになに?ジョングクさんずっと近くにいてね、だって?勿論!」
 「………」
 JK「え?ジョングクさん大好き、愛してる?…もうっ、俺もだよ!!」
 JN「アヒャヒャヒャ!ユリが首振ってる!」
 RM「そこは意思表示するんだ」

 たとえゾンビを前にしてもジョングクの愛は止まらないのであった。

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