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【では次の特集です。先日、女子中学生がナイフで刺されるというショッキングな事件が起きたばかりですが、今度は誘拐に続き、立てこもりという両方の事件が起きてしまいました。事件の全貌を映像と共にご覧ください】
事件が起きたのは某日の午後4時頃、東京郊外にある河川敷近く。ここにある廃ビルに犯人は人質の女子中学生と共に屋上に立てこもったのです。
しかも人質となった女子中学生は先日、刺傷事件でも被害にあった中学生と同一人物であり、警察の保護対象でありながら二度も事件に巻き込まれたということで、警備体制に不備があったのではないかという声も。
犯人は韓国国籍の35歳自称会社員の女。ビルの屋上からしきりに何かを叫ぶ姿をカメラは捉えていました。
字幕『――…を今すぐここに連れてこい!!』
女の傍にはぐったりと横たわる人質、二人の手首には女がつけたであろう縄のようなもので繋がっています。屋上には柵もなく、人質は少しでも体勢がずれてしまえば落下してしまう可能性があるほど危険な状態でした。
何より、この時、人質となった少女は刺傷事件から意識が戻っておらず、病院側も「まだ安静が必要」と言われているほど状態が芳しくない状態。
人質の体調にいつ異変が起きてもおかしくない状況、すぐにでも救出に向かおうとする警察ですが、その救出はなかなかに厳しいものでした。
『早くチョン・ジョングクを連れてこい!さもないと、この女をあの世に道連れにしてやる!』
まず二人が縄で繋がっていること。もし犯人を下手に刺激した場合、犯人の言う通り、飛び降られでもした場合、人質までも被害に遭ってしまう可能性があります。
また、この立地も最悪な条件でした。警察は直ぐさまビルの下に安全マットを敷こうとしますが、下は大きな川が流れていることから、安全に固定するのに時間を要してしまうことでした。
そして興奮している犯人が要求するもの、それは韓国の世界的人気アイドルの男性。女はアイドル男性を追いかけてわざわざ来日してきたとのこと。ファンであった筈の女がどうしてこのような行動に出たのでしょうか。
原因といわれているのはこの生配信動画。
【実際の映像】
この動画によって一部の過激ファンが狂気的な言動を見せる様子がSNSを中心に炎上が起きていたのです。
『こんな女を選ぶお前はBTSには必要ない!ここに来い!謝罪させてやる!』
現場には韓国語の話せる警察官が交渉に応じようとしますが、犯人の興奮は収まる様子はありません。
しかし事件発生から1時間ほど経ったところで、ある動きがカメラに写り込んでいました。
犯人の傍で横たわる人質の少女。彼女の左腕はビルの壁に沿って垂れていましたが、その左手にある変化が見られたのです。
【実際の映像】
青色の患者衣を着たまま、未だ起きる気配が見られないと思われていた人質の左手が、何かを形作っていました。それは犯人からは死角となっていたため、見つかることはありませんでしたが、彼女の手が意味するものとは―――
『指文字ですね』
指文字とは、手の形を書記言語の文字に対応させた視覚言語の一要素であるとのこと。
手話との違いはあるでしょうか?
『手話と指文字の関係は「漢字」と「ひらがな・カタカナ」の関係に似ています。例えば『山』という「漢字」はその文字自体に意味があります。それに対し「ひらがな・カタカナ」では『や・ま』と二つの文字を組み合わせ、初めて意味を持つようになります。
手話と指文字の関係も同じように、手話は動作自体が名詞や動詞の意味をもちますが、指文字はいくつかの動作を組み合わせて(や・ま)初めて意味を持つようになるんですね。手話で表現が困難なもの(人名・地名など)は指文字を使って表現します』
『(彼女は)障がい者施設でのボランティアで手話を習ったようなんですね。手話の基本はこの“指文字”ですから、知っていても可笑しくはないでしょう』
『この指文字を最初から見てみると、一文字目が“み”。二文字目が“す”、そして三文字目が“て”、最後に“ろ”と訳すことができます』
「見捨てろ」―――少女の表す言葉は、震撼させるような意味がありました。
『普通だったら考えられませんよ。まだ中学生の女の子が、自分を見捨てろだなんて言葉……言えると思いますか?いつ自分が落ちるかも分からないのに、指文字を使って暗号のように我々に伝えてきた…』
『でも逆に火がつきましたね、私は。……子供にあんなことを言わせてしまう自分が情けなかったです。“自分を見捨てろ”なんて、そんなこと絶対にさせるかって思いました』
人質の少女は何を思って、この指文字を作ったのでしょうか。そして彼女を救出させるため、警察が作戦を計画しているときでした。
『あ、黒い帽子にマスクをつけた男性が見えますね。屋上を指差し、何かを警察に伝えているようです』
警察官と救助隊が集まる場所へやって来たのは、全身真っ黒の男性。なんと、犯人が要求する有名アイドルのチョン・ジョングクさんだったのです。
取材によるとこの時、チョンさんは事務所側の反対を押し切り、タクシーに乗り一人で現場へやってきていたそう。そして現場に着くと、直ぐにでも屋上に行きたいと言っていました。
しかし警察としては慎重に動きたいところ。先ずは犯人ともう少し話をしようとしますが、この時、一番恐れていたものが近づいていました。
『私は今、現場となった廃ビル近くに来ております。現在の時刻は夕方5時過ぎ、このように日が暮れ出し、そして河川敷という水が近いせいでしょうか、気温がぐっと冷え込んできました。』
日暮れと共に気温は急激に冷え出す。これがさらに最悪な状況に陥る危険性があったのです。
『あの時、(人質となった)彼女は脇腹から腹部にかけて治療中だったんですね。人間の場合、外気温が下がると身体は先ず体温の恒常を図るため、内臓の温度を下げないようそちらにエネルギーを集中させます。
しかし直前まで意識不明と重症を負っていた彼女の場合、エネルギーを送ろうにも体力も残っていなかったでしょうし、何より病院の患者衣というのは本来簡便性を求めて作られたものですから、こんな寒空の下では防寒の意味なんてありません。
傷が塞がっていたとしても、凍傷や心臓への負荷も大きくなり、命の危険が近づいてしまいます』
これ以上は人質の命が危ない。救出しようにも犯人を押さえる術がない。
――すると、八方塞がりだった警察は最後の手段に出たのです。
『今、人質となっている少女と犯人のもとにチョンさんがゆっくりと近づいていきました。何かを喋っている様子が見られます』
二人のいる屋上へと向かったチョンさんがゆっくりと近づいていき、そして、
『チョンさんが座り込みました………頭を下げています。まるで謝罪しているようにも見える光景です』