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冬柴白銀(ふゆしば しろがね)

中学一年の冬、それまではどこにでもいる平凡な女子中学生だったが、一億人に一人の確率でかかる突発性離人異能症が発症。白銀の髪に、翡翠の目をした美少年へと変貌。以前の自分であったときの記憶がない――白銀の場合はその症状が特に酷く、生活に必要なことまで忘れてしまい、幼児なみの知性しかなかった。しかし記憶喪失となった代わりに、瞬間記憶能力などのサヴァン症候群まで持ち合わせたことから、知能は一気に発達していった。そうした不安定な生活を送っていきながらも、次第に自分の運命と向き合っていく。異能力は「雷電」、電気を発し自在に操れたり、雷を落とすこともできる。

突発性離人異能症―――大変稀な病気で、日本では発症した人物が今まで三人しかおらず、白銀は約七十年ぶりの発症者。病気の原因・治療はどれも科学的にも証明されておらず、治ることはまず不可能といわれている。
病気といっても、寿命が縮んだり侵襲があるわけでない。ただ全くの別人へと生まれ変わってしまうだけである。中には時宗のように、性別までも変わる人間もいる。
発症者は深い眠りとともに、身体が変化していき、意識が覚醒するときには殆ど記憶喪失の状態となる。そして発症者の殆どがなんらかの超人的な異能力を持って生まれる。また、離人異能力症といわれる由縁にもなった、普通の人間ではなく「人から離れた存在」であるためか、動物に好かれやすい。
戦前において発症者は「神の使い」とも言われ国宝級に扱われてきた。しかし世界大戦で各国が発症者を武器として扱い、異能を持つ者同士で争い、殺され、結果的に殆どが自殺した。それまで世界に六人いた発症者はたった一人しか残らなかった。発症者たちは自殺を図る前から、我々にも普通の人間と同じく自由に生きる権利が必要だと訴えており、その願いは生き残りである発症者が受け継ぎ、「誓い」として世界に残された。今後発症者たちを武器や研究に使うことは許されない――この「誓い」を破った者は制裁を下される。その後、二か国がこの「約束」を破ってしまい、首謀者たちが次々と謎の死を遂げた。それ以降、国連の名の下に正式な条例として「約束」が決められた。
突発性離人異能症が発症している者は、白銀を含め世界に四人いるが、時宗以外は戦闘系の異能力ではなく、残りの二人は「千里眼」と「予知」。もう一人は「不老不死」であり、世界大戦時も唯一生き残った発症者でもあった。

鹿千(ろくせん)
「不老不死」である彼はその名の通り、千年前から生きており、白鹿に乗って現れたと言い伝えが残っているほど。世界で最初の発症者ではないかと言われている。他の発症者と違い、動物に好かれるだけでなく、動物と意思疎通が図れる。また、普通の人間と暮らすこともなく、どこで暮らしているのか、顔も面で隠しており、素性は殆ど謎に包まれている。殆ど伝説のような扱いをされているが、時折、白鹿と共に奈良にある鹿たちの元へと降り立ち動物たちを守っている。本人は人間を嫌っており、近付く者には老若男女問わず攻撃する。しかし地域住民からは「鹿神」とも呼ばれ崇められており、鹿千を陰ながら見守っている。鹿千もそんな彼らの意思は分かっているよう。
世界大戦時に発症者たちが自ら死ぬことを選ぶ様子を見て、自分が「不老不死」である理由を悟った。その後は彼らと同じ道を歩む者が出ないよう、世界にいる発症者たちを陰ながら守っている。

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