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気持ちを簡単に切り替えられる程、大人ではない。だからといていつまでもベソをかいている程、子どもでもない。
大人になりきれていない危ういその心はグラグラと揺れている。
青葉城西に負けたのは昨日の事。これまでの試合のように悔しかったな次は勝とうというようにはならなかった。何故なら、それは最後の大会だったから。
今回ばかりは澤村たち3年生も含め、とてもその日の授業に集中できるような状態ではなかった。
3年生が残らないかもしれない。その可能性に不安が拭えず走りだした日向。どうしていいかわからずボールに思いをぶつける影山、昨日の試合の悔しさを噛み締めた山口、思いつめた表情の月島。春高へと気持ちを切り替える2年生、自分の思いを吐露する3年生。
それぞれの思いを胸に向かう先はどこなのか。
「3年生来ねえな…」
信じていても拭えぬ不安は誰しもが持っていた。もしかしたら…と最悪な状況を考えた時、ばたばたと慌ただしく扉が開かれた。
「やばいやばい早く!」
そう言いながら駆け込んできた澤村、菅原、東峰、清水の4人
「行くぞ春高」
3年生たちのジャージ姿に、菅原のその言葉に体育館が一気に盛り上がった。もう一度このチームで全国を目指すチャンスが掴めた。
それから少ししてやってきた烏養によってミーティングが始められる。
「じゃあとりあえず、ここは主将に一発気合入れてもらおうか」
烏養の言葉に澤村が頷き立ち上がる。
「…………昔、烏野が一度だけ行った舞台だ。もう一度あそこへ行く。東京、オレンジコートだ」
主将澤村の言葉に烏野高校排球部の部員たちが咆える。
今のままじゃいけない事は全員が自覚していた。春高予選までに今現在組まれている練習試合の数は圧倒的に少ない。そう思案した時に慌ただしく誰かが駆け込んできた。
「い、行きますよね!?」
「!?どこに!?」
「鼻血出てます!」
「東京!!」
そう言って顧問である武田がメモを片手に飛び込んできた。それは、音駒高校からの合宿への誘いだった。
全員がもう一度揃い、その為の準備を進める。
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