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合宿二日目。夏直前強化合宿中の朝は早い。
五時半にはマネージャーたちの目覚まし時計が鳴り、全員もそもそ起き始める。ねぼすけさんの春乃を梅本が叩き起こして、ジャージに着替えると、全員で洗面所に向かって身だしなみを整えてから業務を始める。
ちなみにマネージャーたちの寝泊まり所は巴の部屋でもある。
もともと青心寮より若干部屋が広いことや、部屋主が必要最低限のものしか置いていないことから4,5人の女子が雑魚寝する余裕は十分にあるのだ。
アップがてらのランニングに出かける人たちの同行のために梅本が自転車に跨り、巴と春乃はドリンク作り、貴子先輩と夏川はグラウンドの準備だ。
「うおおおっ!おはようございますマネさん!!」
せっせと準備をしているとグラウンドの方から沢村たち一年がやってきた。
「おはよう、沢村、春一、降谷。先輩たち、もうアップ始めてるから急いでね」
「マ、マジすか!?昨日あんなに……」
昨日ひどい目に遭った三人が絶望の表情を見せる。
今年の三人はスタミナ不足が目立つ。投手ふたりはまともな練習環境になかったし、降谷は特に、その剛速球に見合う体ができていない。小湊弟は言わずもがな、まずもっての小柄な体格は瞬発力と引き換えに著しく体力面で不利が出る。
「昨日の“あんなに”が、今週は毎日続くからね」
「巴先輩、御幸先輩と倉持先輩も去年の合宿を経験されているんですよね?あのお二人もやっぱりへとへとだったんですか?」
ドリンクの粉をさらさら入れながら春乃が訊いてきた。
「……あの二人は、少なくとも今年の三人よりは元気だったわよ」
「……!」
沢村の目の色が変わった。
彼はこうやってお尻を叩けば叩いた分だけ元気になる。
「ほら、行っておいで」
「しゃす!!」
朝から元気に騒ぎながら土手を越えていく沢村を追いかけて、小湊弟と降谷が走っていく。
朝食前はトスバッティング200球、内外野のノックとランニングだ。
部員が多いし合宿中は一軍以外のみんなが球出しやグラウンド整備をしてくれる。マネージャーの方はこの期間、むしろ余裕を持って用具の調整にあたれるのだ。
***
合宿も四日目を迎えると、さすがに二年生にも疲れが出始める。
さすがにあの地獄の冬合宿を耐え抜いただけあって一年のように吐いたりすることはないが、午後食後のポールダッシュとベーランが終わると膝に手をつくようになってきた。それでもやっぱり夏合宿二回目の御幸と倉持は、白洲と川上よりも余裕そうだ。
一年生三人は今日も倒れ込んでいる。
「オーイ誰か一年運んでやれー!」
これから部員たちは食堂に集まって夕飯になる。マネージャーはこの間に入浴なので、五人でぱたぱた走って寮へ向かった。