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第89回全国高校野球選手権大会、西東京大会の日程表が配布された。
丹波の怪我は顎の骨に罅が入っていたのみで、脳の方に異常はなかったが、復帰の時期がいつになるかはわかっていない。そのうえで監督はエースナンバーを彼に渡すと部員の前で明言した。
丹波が戻ってくるまで、全員で夏を戦い抜いていくことになる。
シード参加の青道高校は一回戦が終わるまで初戦の相手はわからないが、順当にいけば準々決勝で市大三、決勝で稲実と当たるという出来すぎたトーナメントになっていた。
それぞれがそれぞれの課題を意識して、エースの帰りを待ち続けた。
…という大変な場面になってきたのに、どうも一年ピッチャー達は成績がよろしくないらしい。
もうすぐ期末テスト。
期末テストで赤点をとったら追試、追試が増えれば増えるほど練習時間が減り試合に間に合わなくなる、という事実を知り、沢村降谷コンビは雷に打たれたような衝撃を受けていた。
「ぬおお…なんとかせねば…!」
沢村が悲痛な叫びをあげる中、降谷が練習後の汚れた雑巾を洗っている巴のところへすすす、と寄ってきた。
「あの、巴先輩…頭いいですか?」
「…それなりには」
「勉強教えて下さい…」
「私でいいなら構わないけど…」
「コラー降谷!貴様なに抜け駆けしてる!巴先輩!俺にも救いの手を!!」
「いいよ、一緒にやろう」
「ちっ…」
「お前舌打ちしたなぁぁ!!」
二人がギャーギャー騒いでいるのを他所に作業を続けると、今度は別の二人組がやってきた。
「おーい月代!期末の範囲のノート写させて!数学と英語と地理な!ヒャハハ」
「あとOCと古文もお願いね〜」
「……じゃあ明日、5号室に全員集合」