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大会中にも関わらず行われた紅白戦は、激しいぶつかり合いとなった。結果的にAチームが勝ったけど、Bチームの気迫は凄まじかった。ベンチにはいるものの出場機会は多くないから、その気持ちをぶつけたものだったんだろう。

そして今日はいよいよ、準決勝成孔戦。

「俺達は…王者なんかじゃねぇよな」

試合前、御幸が自らやりたいと言った円陣。今や青道の代名詞となった掛け声。

「挑戦者だ!」
「おおお!!」
「誰より汗を流したのは」
「青道!!」
「誰より涙を流したのは」
「青道!!」
「戦う準備はできているか!?」
「おおお!!」
「我が校の誇りを胸に狙うは全国制覇!いくぞぉ!!」
「おおおおお!!!」

"挑戦者" ――なんとも御幸らしい言葉だった。現状に満足することなく、常に高みを目指していく。
先輩たちから受け取った掛け声は、間違いなく彼らの代にも受け継がれている。

「秋季東京都大会もいよいよ大詰め。準決勝第一試合!豪快打線の成孔学園か、豪腕降谷擁する青道高校か!」

まもなくプレイボール。

***

「は…入ったぁぁサヨナラー!!延長10回裏この激闘に終止符を打つ四番キャプテンの一振りー!!」

お互い一歩も譲らず延長戦に持ち越された成孔戦。10回裏、御幸の一振りでサヨナラ勝ちという劇的な幕切れを見せた。
途中足を痛めた降谷は病院へ行くこととなったが、「御幸センパイは?」という降谷の声には応じなかった。
九回の守備で相手ピッチャーのラフプレーともとれるホームへの進塁を身体で受け止めた御幸。本人は至って普通にしているけど…、

「決勝進出おめでとう!」

ベンチから撤収してくると、薬師の選手たちが待ち構えていた。次の試合は、薬師と市大三高。

「カハハハまたできる!明日また夏の続きができるぞ」
「勝つ前提かよ。相手は三高だってのに余裕だな…」

自信しかない薬師の面々はいっそ清々しい。

「よー巴ちゃん」
「…お久しぶりです」
「決勝でな。あ、ついでに後でLINE交換…「巴先輩ー!!」

真田に絡まれている巴を見て、すかさず沢村が駆けてきた。
まるで青道のマドンナを守る衛兵の如く素早い動きだ。

「さぁさ!早く行きましょう!」

沢村に急かされながら真田にじゃあ明日、と言ってその場を離れた。

もう一つの準決勝、薬師対市大三高の試合は、真田の宣言通り薬師の勝利。
スタンドでしっかりその試合を観てから学校に戻ってきた巴たちマネージャーは、食堂のおばちゃんに夜食用にご飯を多めに炊いておくように頼んだり、明日の準備だったりをしてミーティングまでの時間を過ごした。

降谷の足は明日の様子をみてから、ということになり先発は川上。

「じゃあ主将副主将最後に一言いくか?」

明日の試合についての確認の後、部長の提案により主将と副主将からの一言でミーティングを締めることになった。

「えー新チーム結成からここまで…長いようで短く…かとといって早くもなく…」
「がんばれー」
「見てらんない」
「えーとにかく明日全力を出して戦いましょう!!」

言葉にするのが不器用な、そんな前園らしい言葉。

「雪という言葉には雪ぐ、洗い流すとの意味があり、受けた恥をそそぐことから雪辱と、」
「意外な入り方!真面目!」
「邪魔するヤローは全殺しで!」

沢村の「はい!最後は素の方いただきました!」なんて声に「後でな沢村」と返している。

「キャプテンらしい振る舞いができているかどうかわかりませんが、最初の挨拶で結果にこだわりたいとみんなに言いました」

楽な試合は一つもなかった。それでも勝つたびに、チームは、選手たちは、どんどん強くなっていった。

「俺は…あの舞台がどんな所か見てみたい」

球場の広さ、音、匂い。あの舞台に立った人しか分からないもの。

「勝って行こう甲子園!!」

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