02


「レッド先輩、すっ、好きです!」


『………』


多分、全然気にしてませんよ、って顔になってるんだと思う

ちょっと澄ました感じを
装ってみても気になる

レッド君が頷かないか怖い


「…ごめん」


その一言を聞いて安心する


相手の女の子を可哀想だなんて思えないのは真理


だって、私が言う言葉なんだもん




ゴールド君に告白されたのが一昨日、私が変なオーラを出しているせいか、レッド君はこちらを見向きもしない―まさか知ってる…わけ、ないよね?


目を合わせようとレッド君を見つめ続けるが、全くこちらに顔を向けない


『…はぁー』


小さくため息をつく


「幸せ逃げるぞ?」


『……………嫌味でしょ』


両手いっぱいにプレゼントを抱えたグリーンの頭にはハートが突き刺さっている


「レッドより俺の方がモテてんなー、なぁ○○?」


やっぱり諦めた方が良いのかな…私なんて、レッド君に釣り合わないし




何で好きになっちゃったんだろう、よく分かんないよ




「よし…終わった!2人共ありがとうね」


放課後、N先生の花飾りを作るお手伝いも、卒業まで残り2日で終わった


「はぁー、あたしたち凄い頑張ったなー、ね、先生」


「う、うん…お礼は後日」


「ありがとうございます」


満面の笑みを浮かべるブルーを横目に、不恰好な花飾りを1つ手に取る


それはたった数日前の、幸せなドキドキを覚えている


大好きなレッド君の隣に座っていて、不器用な彼の指先を目で追っていた


数日でこんなにも変わってしまうんだ…―日頃の行いが悪いせい?私は、神様に嫌われているの?


友達も出来ずに過ごして、ようやくできたのはブルー

結構辛い日々を過ごしてきたのに、その分の幸せな日々はまだ足りず


入学式も、クラスも、それからの夏休みや冬休み、ほどよい関係だったのかもしれない…壊しちゃったんだ


私が、無意識に、自分で―




やっぱり諦めようか


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