03


「○○先輩が、レッド先輩のことを好きなのは…知っています―でも、もう最後だから…俺、伝えなくちゃって思って―」


返事は卒業式までに


昨日は呆然として、意味が分からなかったけど―今考えてみると、大変なことになってしまった


あの後レッド君に会いに行って―結局、告白できなかった…会話も弾まなかった

遅れてしまったからか、不機嫌オーラが出ていたし


私はレッド君が好き


それを…ゴールド君は承知の上で、私に気持ちを伝えてくれた―叶わない可能性が高いと分かっていながら


「○○さん、おはよう」


『あっ、ゲン先生…おはようございます』


「思い詰めた顔をしていたけれど、悩み事かい?」


『え、あ…まぁ』


「ふーん若いって良いね」


『先生だって、まだまだ若いじゃないですか』


「いやいや、歳をとるのは早いもんだよ…最近は物忘れが多くってね」


あはは、と笑うゲン先生


「悩めることがあるのは、良い事だよ…それほど思えるものが○○さんにはあるんだから」


『そう、ですよね』







「うふっ、ゴールド殴りに行ってくるね☆」


『ちょ、ダメだってば!』


「ブルー落ち着け、それにしても、いやー…あいつタイミング悪すぎだろ」


『です…よね』


「タチ悪すぎよ…○○がレッドを好きなの知ってて、告白するなんてさ」


ブルーは腕を組んで、眉間に皺を寄せる―言わなかった方が良かったかも…ね


「で、どうせフルんだろ」


改めて《断る》ということを考える―始めて《好き》と告白されて、嬉しかったけど…どうしようもない


好き

好き

好き


悶々と気持ちが溢れるのに、伝えられないもどかしさに苦しくなってしまう


「あと3日なんだぜ?」


もう、良いよ


そう言おうとして呑み込む

簡単に諦められるほどの恋じゃなかったはず、だから


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