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まさかの再会を果たしたグリーンにポケギアに番号を打ち込んでもらい、アッシュは何とかグリーンを丸め込むことが出来た。
とはいえ、アッシュは正直いって迷っていた。
そろそろ一度帰るべきだとは思っていたが、こんな急に帰る雰囲気になるとは思っても見なかったのだ。
そのうち帰るの「そのうち」とはアッシュの中ではこれから一、二年の間にくらいの気持ちである。

そもそもなぜグリーンはあの場にいたのだろうか。オーキド博士の手伝いをしているのでその用事だろうか。
グリーンにとってまさかこんな所に探していた兄貴分がいるとは思わなかっただろうがアッシュからしてもそれは同じである。
まぁそもそもアッシュの場合やましいことがあるので帰るのをこんなに渋っている訳であるがそれは本人には言うまい。
これは早々に博士へ口止めをしておかねばなるまい。
とはいえ、ポケギアにオーキド研究所の番号は入れていない為今すぐ連絡という訳にはいかない。
一旦はカンポウの元へと戻り、そのあとグリーンについて行くか否か決める事にしようとアッシュは思案を巡らせる。
気持ちで言うならばまだ帰りたくないような帰りたいようなむず痒い気持ちであるが、あの分だとそもそも強制的に連れ出される可能性が高い。ならば機会を見て博士へ連絡を入れるのが得策であろう。

そんな事を考えつつ、アッシュとイーブイはアサギシティを通り過ぎてコガネを目指して歩き出した。
行きとは違い一度は通った道なので、風のようにとは行かぬものの思っていたよりサクサクと道を進んでいく。
この分なら明日の昼前にはコガネへと着くかもしれない。
その前にカンポウへ連絡を入れておくべきだろうと思い、ポケギアを起動しようと手を伸ばすとタイミング良く通信を知らせるアラームが鳴り出した。
画面を見れば、どうやらまさに今かけようとしていたカンポウの所から入っているようである。
いつの間にかタンバの薬屋の手伝いをさせられた件もある。文句の一つでも言ってやろうと思いアッシュは通信をオンにした。

「もしもし、じいさん?」
「良かった!アッシュさん!」
「その声は…?」

通信に出た声の主はどう考えてもカンポウのものではなくまだ年若い女性の声である。

「え、もしかしてジョーイさん?」
「はい!コガネシティのジョーイです」

まさかコガネのジョーイから通信がくるとは思わず歩みを緩めると、前を歩いていたイーブイも何事かとこちらを振り仰いだのが視界の端に入った。


「実は、カンポウさんが倒れまして」
「は…?!」


アッシュは思わず素っ頓狂な声を上げて立ち止まった。


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