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通信を聞いたアッシュはイーブイをボールへと戻すとコガネへ向けて走り出した。
ポケモンや自転車のようにスイスイとはいかないが歩くよりはずっと早い。
駆け抜けていくアッシュに驚いて虫ポケモン達が逃げていくのが見える。それに少しばかり申し訳ないなと思いつつも、走る足は止めずアッシュはジョーイの話を頭の中で反芻していた。

ジョーイによると、カンポウ宅のラッタがセンターまで1匹で駆け込んで来たことで発覚したらしい。
いつも穏やかな様子のラッタが大声を上げる為、すぐ異変に気づいたジョーイがジュンサーへと連絡してカンポウ宅へと向かってもらうとカンポウはうずくまるようにして居間に倒れていたのだそうだ。
病院へはその後すぐに運ばれた為それにラッタもついて行ったが、カンポウの正式な身内はジョーイもジュンサーも知らない。
だがすぐにアッシュのことが浮かび、慌てて連絡したとの事だった。
ちなみにカンポウのポケギアはあとからやってきたパラセクトが持ってきたものらしい。これでアッシュと連絡が取れるとパラセクトは分かっていたのは明白だろう。
こんな時に感心することではないかもしれないが、やはりポケモンとはとても頭の良い生き物である。


とりあえずこのまま走っていけばどれ位で着くだろうかと頭の片隅で考えていると、何故か上空から大きな影が地面に降ってきた。

「アッシュ!」

声に反応して振り仰ぐと、手持ちの鳥ポケモンに乗ったグリーンが降りてくる所であった。

「なんか普通に別れたけど、走ってるのが見えたからコガネなら通り道だから送っていこうかと思ってな」

何急いでるんだ?と首を傾げるグリーンに急ぎ理由を説明するとすぐさま頷いて後ろを示した。

「そういうことなら急ごう。早く後ろ乗れ」
「すまん、助かる」

言われた通りグリーンの後ろへと飛び乗るとすぐ様ポケモンは上空へと舞い上がる。

「飛ばすからな!しっかり捕まってろよ!」

「ピジョット!」とポケモンに声をかけると、鳴いて答えたピジョットはグングンスピードをあげ始める。それと同時に物凄い勢いでアッシュの顔面に風圧がかかった。
風の抵抗が強いを通り越して最早痛い。
思わず腰を曲げて無理矢理グリーンの背に隠れると前から呆れた様な声が聞こえた気がするがそんな事は知ったことではない。
何故こいつは普通に乗ってられるんだと驚いたがそもそもポケモンに乗ること自体初めてのアッシュとベテランのグリーンでは差があって当然である。
そんなこんなでアッシュが風圧と戦っているうちに一行はコガネシティへとたどり着いた。

そこから先はグリーンにスピードを落としてもらい、口伝えにてカンポウ宅へと降り立ってもらうとアッシュはピジョットの背から降りつつ、グリーンに礼を言った。
それに対して「いいから早く行け」と急かす声に背中を押され、アッシュはそのまま部屋の中へと駆け込んだ。


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