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ガタッと音がして、燃え上がりぼろぼろになった襖が開くと、そこには傷だらけの少年がいた。上半身の傷はほとんど火傷で、しかしその隙間を埋めるようにたくさんの痣もあった。急にこちらに駆け寄ってきたかと思うと、手首をきつく掴まれた。

「何!」
「火事だから」

よく見れば少年は、わたしの手首をつかんでいるもう一方の手にたいまつのようなものを持っていた。それに、遠くから悲鳴が聞こえる。燃えているのは、ここだけではないのか?

「あんたが火をつけたの?」
「それはお前もだろ。いいから。逃げるぞ」

強引に引っ張られるがまま、わたしは少年について走った。いくら走ったかも知れない。とにかく、わたしたちは町を出、水蛇の棲む沼の方へと走った。後ろを見ると、宿から燃え広がった炎が町を覆っているのがわかった。

さようなら、呪われた町。さようなら、呪われたわたしを育てた町。

 


(120104)


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