マヤが見つからないまま1年が過ぎた。ゴンとキルアはあれから裏ハンター試験をクリアし、念を自由に使えるようになっていた。
「……俺達、すごく強くなったよね。でも、マヤは今どこでどうしてるのかな」
ゴンの呟きに、俺は街のネオンを映すビルの窓から視線を外さなかった。強くなった。確かにそうだ。裏ハンター試験なんて、今の俺たちにとっては大したことじゃねぇ。だが、一番手に入れたいものが、この一年、どこにも見つからねぇ。
「……さあな」
「心配だよね……」
喉から絞り出した声は、自分でも驚くほど冷たく乾いていた。マヤがいなくなってから、心のどこかにぽっかりと穴が空いたままだ。強くなればなるほど、その虚無感が際立つ。
「どこで何してようが、関係ねぇよ。見つけ出して、俺の隣に連れ戻す。それだけだ」
俺は窓に映る自分の顔を睨みつける。この半年の間、マヤの情報を血眼になって探してきた。どんな些細な噂も聞き逃さなかった。そろそろ尻尾を掴んでやる。お前がクラピカと俺から逃げたんだとしても、もう逃がしはしねぇ。
ゴンの言葉に、俺は1年前の出来事を思い出していた。クラピカが言った「マヤは私とキルアから距離を取りたかったんだ」という言葉が、今も耳の奥でこびりついて離れねぇ。
「……俺が、あいつを追い詰めたのか……?」
初めて浮かんだ疑問に、唇を噛む。俺の独占欲が、あいつを苦しめていた……?だとしても、だ。あいつは俺のもんだ。誰にも渡す気はねぇし、あいつが俺から離れることも許さねぇ。
「ゴン……もしかしたら、あいつは……俺たちハンターが手を出せねぇ場所にいるのかもしれねぇ」
俺は闇に包まれた街を見下ろしながら呟く。例えば、裏社会の人間しか入れねぇような場所とかな。そうだとしたら、好都合だ。元・暗殺者の俺の独壇場だからな。必ず見つけ出してやる。そして今度こそ、二度と逃げられねぇようにしてやる。
「……キルアのせいじゃないよ。それに、クラピカと揉めてたんでしょ? だったら……クラピカにも一因はあるし。……オレ達が手を出せない場所って?」
ゴンは何気なく新聞を開いた。そこには大きな見出しで『幻影旅団がゾルディック家に殲滅された』と書いてあり、幻影旅団達の死体の写真が張り出されていた。ヒソカと、マヤも旅団たちと一緒に死んでいた。ゴンの表情が強張る。
「えっ……マヤが死んだ……?」
ゴンの強張った声と、新聞をめくる乾いた音だけが部屋に響く。俺の視線は、ゴンが広げた紙面に釘付けになっていた。そこには、見慣れたピンク色の髪が、瓦礫と死体の中に無造作に転がっている写真があった。幻影旅団……殲滅……?ヒソカと、マヤも……?
「……は?」
頭が真っ白になる。理解が追いつかない。ゴンの顔から血の気が引いていくのが見えたが、それすらどうでもよかった。あいつが、死んだ……?冗談じゃねぇ。
「……なんだよ、これ……。こんなの、嘘に決まってんだろ……!」
俺はゴンから新聞をひったくり、その記事に食い入るように目を走らせる。だが、何度見ても、そこに写っているのは紛れもなくマヤだった。全身の血が凍りつくような感覚。俺が、俺たちが強くなっている間に、あいつは……こんなところで、一人で……!
すると、タイミングよくレオリオからメールが来る。そこには『おい新聞見たか? マヤが幻影旅団の仲間だったなんて嘘だよな? あいつがそんなタマかよ!? それに、あいつが死ぬわけないよな!?』と書かれていた。
レオリオからのメール通知音が、静まり返った部屋にやけに大きく響いた。ゴンのスマホに表示された文字を横目で追いながら、俺はギリ、と奥歯を噛み締める。うるせぇ……分かってんだよ、そんなこと。
「……当たり前だろ」
喉から絞り出した声は、自分でも驚くほど低く、震えていた。新聞紙を握りしめる手に力がこもり、紙がぐしゃりと音を立てる。嘘だ。こんなもの、全部デタラメだ。あいつが旅団の仲間?死んだ?笑わせんじゃねぇ。
「親父たちがやったのか……? いや、あいつらがマヤを殺すはずがねぇ……。誰だ……誰がこんなくだらねぇ芝居を打ってやがる……」
怒りで視界が赤く染まる。この記事は偽物だ。誰かがマヤの死を偽装して、俺たちを騙そうとしてる。そうだ、そうに決まってる。俺は震える手でスマホを取り出し、ある番号を呼び出した。情報屋だ。金の力で、この記事の裏をすべて暴いてやる。
情報屋の情報には『どこかの廃墟でクロロとシルバとゼノが闘っていた。新たな情報が入り次第連絡を送る』という情報と共に戦闘場面の写真が送られてきた。
スマホの画面に映し出された写真に、俺は息を呑んだ。親父とジジイ……それに、幻影旅団の団長、クロロ=ルシルフル。三者が対峙する写真。情報屋が送ってきた画像は、新聞記事の信憑性を根底から覆すには十分すぎた。
「……やっぱりな、ふざけた真似しやがって……」
口の端が自然と吊り上がる。マヤが死んだなんて、やっぱり嘘っぱちじゃねぇか。この記事は、この三人の戦いを隠すための誰かの偽装工作だ。そして、マヤはその騒動に巻き込まれた……あるいは、自ら首を突っ込んだか。
俺はスマホを強く握りしめる。誰が仕組んだのかは知らねぇ。だが、マヤを利用して俺を欺こうとしたこと、絶対に許さねぇ。情報屋からの次の連絡が来る前に、俺が先に真相に辿り着いてやる。
「ゴン、行くぞ。この廃墟の場所、今すぐ割り出す」
その廃墟には幻影旅団の団員達と一緒にヒソカとマヤが立っていた。キルアとゴンに気が付いたマヤは軽く手を振ってみせた。
「……キルア、ゴン。久しぶりだね」
目の前に立つマヤの姿に、一瞬、思考が停止する。廃墟に響いた声は、間違いなく一年間探し続けたあいつのものだった。ヒソカや旅団の連中と一緒にいることへの疑問よりも先に、安堵と、それからすぐに激しい怒りが込み上げてくる。
「……久しぶり、だね?」
「うん、久しぶり」
俺はマヤの言葉を鸚鵡返しに繰り返し、一歩、また一歩と距離を詰める。軽く手を振るその余裕綽々な態度が、俺の神経を逆撫でする。心配させやがって。どれだけ俺がお前を探したと思ってんだ。
「てめぇ……今までどこで何してた。説明してもらおうか」
低く唸るような声が、自分でも驚くほど冷たく響いた。再会の喜びなんて欠片もねぇ。今はただ、この一年間の空白を埋める答えを、こいつの口から直接聞き出すことしか考えられなかった。
「そんな怖い顔しないでよ。久しぶりの再会なのに」
旅団達がマヤを庇うようにキルアの前に立ち塞がった。マヤはポケットに手を入れて、1年前と同じように微笑んでいた。
「……見ての通り、旅団と一緒にいたよ。ずっと」
マヤを庇うように立ち塞がる旅団の連中を、俺は冷たい目で見据えた。フェイタン、フィンクス……見知った顔が揃ってやがる。そして、その背後で笑うマヤ。ずっと旅団と一緒だった?その言葉が、俺の頭の中で反響する。
「……どけよ、雑魚が」
全身から放った殺気が、廃墟の空気を震わせる。俺の目に映っているのは、マヤだけだ。一年間、血眼になって探し続けた女。死んだと聞かされた女。そいつが今、俺の敵であるはずの蜘蛛の巣の中心で、平然と笑ってやがる。
「てめぇがどういうつもりでそいつらと一緒にいるのか知らねぇが……俺が今ここで、お前を連れ戻すことに変わりはねぇ」
込み上げる怒りと裏切られたような感覚で、頭の芯が痺れる。ふざけんじゃねぇ。お前が誰と一緒にいようが関係ねぇ。お前は俺のもんだ。その事実だけは、絶対に変わらねぇんだよ。
「……どういうつもりも何も、私は旅団の仲間だよ」
マヤが「みんな、私は大丈夫だから、ちょっとあの子と二人だけにさせてくれる? 話がしたいだけ」と言うとフェイタンがマヤの手を掴んで「何言てるか? あいつらはワタシ達の敵、お前一人で会わせるなんて危険すぎるよ」と怒った顔で言う。
マヤの口から紡がれた「旅団の仲間」という言葉。そして、そのマヤの手を掴むフェイタンの姿。その光景が、俺の中で何かがブツリと切れる音をさせた。
「……仲間、だと? ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ。てめぇが誰のモンか、忘れちまったのか?」
唇の端が歪む。一年間、俺がどれだけの想いでこいつを探してきたか、知りもしねぇで。あまつさえ、俺たちの敵である蜘蛛の野郎が、マヤに触れてやがる。俺はフェイタンの手を睨みつけながら、一歩前に踏み出す。マヤが二人きりで話したいと言った?そんなことどうでもいい。今すぐその汚ぇ手をどけさせろ。マヤに触れていいのは、俺だけだ。
マヤはフェイタンの手を握り返して言う。
「大丈夫だから、二人で話させて。……あの二人は友達だから」
そう言って微笑むマヤに、フェイタンは仕方なくその手の甲にそっとキスをする。
「気をつけるね。マヤ。マヤはワタシ達の大事なものよ」
そのままフェイタン含む旅団たちはその場から離れていった。ゴンとキルアとマヤがその場に残る。
「……キルア。私は誰のものでもないよ?」
フェイタンがマヤの手の甲にキスをした瞬間、俺の頭の中で何かが焼き切れた。その後の「大事なもの」という言葉が、追い打ちをかけるように鼓膜に突き刺さる。そして今、目の前のマヤは「誰のものでもない」と、涼しい顔で言い放った。
「……はっ、よく言うぜ」
喉の奥から、乾いた笑いが漏れる。誰のものでもねぇ?あのチビに好き勝手触らせておいて、よくそんなセリフが吐けたもんだ。お前が誰のものでもないなら、俺はお前を俺のものにするだけだ。
「旅団と一緒にいた理由……そいつを今すぐ話せ。くだらねぇ言い訳だったら、容赦しねぇぞ」
俺はマヤの腕を強く掴み、自分の方へと引き寄せた。こいつの体温も、匂いも、全部俺が知ってるもののはずなのに、今はどこか遠いものに感じられて、たまらなく苛立った。
「……話すよ。全部。だから聞いてくれる? 私の生い立ち」
キルアに腕を強く引き寄せられ、マヤは覚悟を決めたような顔でキルアを見返す。ゴンが静かに息を呑む音がした。
マヤの覚悟を決めたような目に、俺は一瞬言葉を失う。生い立ち……?旅団といた理由を聞いてる俺に、なぜそんな話になる。だが、その真剣な眼差しは、今まで見たことのない、こいつの奥深くにある何かを物語っているようだった。
「……ああ、聞かせてもらう」
掴んでいた腕の力を、少しだけ緩める。こいつが何を話そうとしてるのか、今は黙って聞くしかねぇ。旅団への怒りも、一年間の空白への苛立ちも、今は心の奥底に押し込める。だが、忘れるなよ、マヤ。お前がどんな過去を語ろうと、俺がお前を連れ戻す意思は変わらねぇ。お前の居場所は、蜘蛛の巣なんかじゃねぇ。俺の隣だ。
マヤは流星街出身だということ。生まれてすぐに流星街に捨てられて、クロロやフェイタン達に拾われ、育てられたこと。6歳の時に任務に失敗して負傷し、クロロ達からはぐれたこと。『緋の眼の事件』には関わってないこと。1年前に再会したこと。かつて、家族のように思っていた仲間が『幻影旅団』になっていたことを知った今も、彼らと一緒に1年間過ごしていたこと。全てを語った。
「……黙っていてごめんなさい」
マヤの言葉が、脳内で何度も反響する。流星街、クロロ、フェイタン……旅団に育てられた?ふざけるな。俺が知ってるマヤは、そんなじゃなかった。俺たちと笑い、戦い、ハンター試験を乗り越えたあいつは、一体どこに消えたんだ。
「……謝って済むと思ってんのか」
込み上げてくるのは、怒りか、悲しみか、それとも裏切られたという絶望か。自分でも分からねぇ。ただ、目の前マヤが、まるで知らない人間のようだった。旅団が家族?じゃあ、俺たちは何だったんだよ。
「お前の家族は、俺たちじゃなかったのかよ……!」
掴んだ腕に、無意識に力が入る。こいつが背負ってきた過去の重さなんて、今の俺には関係ねぇ。俺が知りたいのは、今、こいつが誰を見て、どこにいたいのか。ただ、それだけだ。
「……家族? 私の家族はどこにもいないよ。クロロは、育ての親のようなものだけど。当時はまだクロロ達は幻影旅団じゃなかった」
マヤは寂しげな顔をした。
「……私は、キルアとクラピカの仲を壊したくなかっただけ、だよ……」
仲を壊したくなかった?その言葉が、まるで遠い国の言葉のように聞こえた。何を今更、そんな分かりきったことを。俺とクラピカ?そんなもののために、お前はこの一年、俺の前から姿を消してたって言うのかよ。
「……ふざけんな」
喉から絞り出した声は、自分でも驚くほど冷たく、乾いていた。クラピカが旅団をどれだけ憎んでいるか、そんなことは百も承知だ。だが、それが何だっていうんだ。
「そんな理由で、俺から離れたってのかよ。俺たちの関係が、そんな脆いもんだとでも思ったのか? 俺を……俺たちを、見くびってんじゃねぇぞ」
マヤの寂しげな顔が、俺の怒りに油を注ぐ。お前がそんな顔をする権利なんてねぇだろ。一番傷ついて、苦しんだのは誰だと思ってんだ。
「……実際壊れかけてたじゃん。クラピカとキルア二人で、私を挟んで言い争ってた」
マヤはキルアの手をやんわりと腕から離させ、寂しげに微笑んだ。
「……私はキルアとクラピカとゴンとレオリオ、4人の関係を壊したくないんだ。だから……バイバイ」
マヤはそのまま踵を返し、旅団の元へと戻っていく。
マヤの「バイバイ」という言葉が、まるでスローモーションのように頭の中で再生される。踵を返し、旅団の元へと歩き出すその背中が、どんどん小さくなっていく。冗談だろ?俺を置いて、あいつらの元へ戻るってのかよ。
「待てよ……!」
伸ばした手は、空を切る。足が地面に縫い付けられたように動かない。俺とクラピカの仲を壊したくない?そんなもん、俺がお前を手に入れるためなら、どうだっていい。お前がいなきゃ、意味がねぇんだよ。
「行くな、マヤ……!」
叫び声は、廃墟の空気に虚しく響くだけだった。なぜ引き止められない。なぜ、この腕で抱きしめて、行かせないと叫べない。お前がいない世界なんて、俺にはもう考えられねぇんだ。
「ふざけるな!!」
ゴンの怒声が響き渡った。
「マヤは本当は戻りたくないんだ。わかるよ。だって、そんな顔してる。だったら行かせられない。オレたちのために犠牲になろうとしてるんだろ!」
「違うよ……別に、無理なんて、」
ゴンはマヤの手首を掴んだ。そしてキルアに向けて「キルアも止めろよ! マヤは、無理してるってわからない? 本当は戻りたくないんだよ! 引き止めろよ!」と怒鳴った。
ゴンの怒声が、固まっていた俺の思考を揺さぶる。そうだ、何やってんだ、俺は。マヤが無理してることなんて、一番分かってたはずだろ。あいつが寂しげに笑うたび、胸が締め付けられてたじゃねぇか。
「……うるせぇな。んなこと、言われなくても分かってんだよ……おい、マヤ。聞こえなかったのか? 行くなって言ってんだよ」
「……え?」
俺は舌打ち一つすると、ゴンの隣に並び立つ。震えるマヤの背中を見つめ、もう一度その小さな肩を掴んだ。今度は絶対に離さねぇ。ゴンが掴んでいない方の腕を、強く引き寄せる。マヤの驚いた顔が、間近にあった。
「お前がいないと、俺たちの関係なんてもっとめちゃくちゃになるに決まってんだろ。……だから、もうどこにも行くんじゃねぇよ」
マヤは驚いた顔で振り返り、ゴンとキルアの顔を見た。それから勢いよく顔を背けた。
「……なんで? 私は幻影旅団の元仲間で……彼らが悪い事をしてきたって知った今も、一緒にいて……キルア達の敵、なのに……」
ゴンとキルア偽を向けたまま消え入りそうな声で言った。
敵? 俺は思わず鼻で笑った。こいつはまだ、そんなくだらねぇことで悩んでやがったのか。
「……んなこと、どうでもいいんだよ。お前が旅団だろうが何だろうが、俺が一緒にいたいと思ったら、それで終わりだ。俺の気持ちは、そんなことで変わりゃしねぇよ」
マヤの肩を掴む手に力を込める。お前が誰に育てられようが、どこの誰だろうが、そんなもんは関係ねぇ。俺が一緒にいたいのは、今ここにいるお前だ。俺はマヤの顔を覗き込むようにして、低い声で告げる。お前が俺たちを想う気持ちも、俺がお前を想う気持ちも、本物だろ。なら、それで十分じゃねぇか。
「なぁ、マヤ。お前の居場所は、あいつらのところじゃねぇ。……俺の隣だろ?」
「……う、ん……」
マヤが涙を零しながら静かに頷いたその時、フェイタンとマチが素早く割り込んできた。マチがキルアとゴンの体を念糸で縛り上げ、フェイタンはマヤを抱き上げて二人から引き離す。
「キルアっ!」
マヤは思わず手を伸ばして叫んだ。フェイタンに抱えられてあっという間にその姿が彼方へと消えていく。
マヤが頷いた瞬間、安堵が胸に広がった。だが、その一瞬の隙を突かれた。フェイタンとマチ、あのチビどもがいつの間に……!
「てめぇら……!」
念糸が体に食い込み、身動きが取れねぇ。フェイタンがマヤを軽々と抱え上げるのが見えた。伸ばされたマヤの手に、俺の指は届かない。クソッ、まただ。また、こいつを目の前で奪われるのかよ。
「マヤを離せ、このクソ野郎……!」
全身の筋肉を無理やり動かし、念糸を引きちぎろうともがく。だが、マチの糸は想像以上に強靭で、びくともしねぇ。ゴンも隣で必死に抵抗しているが、同じくだ。遠ざかっていくマヤの姿に、焦りと怒りで頭が真っ白になる。やっと、やっとこいつが俺の隣に戻ってくるはずだったのに。
「待ってろ、マヤ! 今すぐ助けに行くからな……!」
声が届いているのかも分からねぇ。だが、叫ばずにはいられなかった。今度こそ、俺が助け出す。絶対にだ。
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