今度は山田くんと石丸くんが殺され、セレスさんが処刑された。誰にだって、きっと、欲望はあるのだろう。ここで暮らしましょう、順応するのです、と言っていたセレスさんも本当はずっとここから出たいと思っていた。出たくて出たくて仕方がなかった。それでもここで生きようと言っていたのは、全てはそう、自分に疑いが向かわないようにするための、゛演技゛だった。
こうして、彼女───セレスさんの秘密は明かされたのだ。それと同時にまた新たに行ける場所が増えた。皆で手分けして探し回ったが、やはり脱出口は見つからない。
「超高校級のプロファイラー……」
私は、苗木くんに自分の本当の才能を明かした。響子ちゃんしか知らない、私の本当の才能。超高校級の心理学者は、表向きの才能に過ぎなかった。
「だから捜査にも慣れた感じだったんだね。そういえば霧切さんとも仲良かったよね、彼女はこの事を……」
「うん、そういう事件場にはよく立ち会っていたし、響子ちゃんも知ってるよ。響子ちゃんは、中学の時からの友達だから」
響子ちゃんも、才能を明かしていない。否、才能を思い出せないでいる。私だけが知っている。響子ちゃんの才能も、私の才能も、どちらも持っていると周りから狙われる。黒幕から疎まれる。危険な才能だ。
超高校級のプロファイラー。犯罪心理学者。そして響子ちゃんの才能、超高校級の探偵。こんな才能なんて、クロ側からしたら厄介なことこの上ないだろう。どんなに綿密な計画を立てて殺人を犯したところで、この才能のせいでバレてしまうのなら学級裁判も面白くなくなってしまう。だからこそ、黒幕は響子ちゃんの才能を、彼女の記憶から消したのだろう。
「そっか。……これって、ボクも雨咲さんに信用してもらえてるって思ってもいいのかな」
「もちろん、そうだよ。苗木くん、絶対に諦めないでね。この絶望に屈したりしないで」
「当たり前だよ! 皆で、生きて帰ろう」
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彼女は旅に出る。/AQUALOVERS