番外編
8話
『あぁぁ……頭痛い……でもお腹空いた…でもでも食べたら吐きそう……』
昨日調子に乗りすぎた…大丈夫だと思ったんだがやはり酒にはめっきり弱いらしい…
今日も訓練じゃなくて業務でよかった…と思うべきか……
ふらふらととりあえず食堂に向かってみようと歩いていると後ろから「おはようございます!名字二等図書正!!」と元気な声が聞こえたので振り返ると笠原と確か業務部で笠原と同室の柴崎さんがいた。
『朝から元気だね〜おはよう笠原』
「はい!!」
「おはようございます、名字二等図書正」
『おはよ、柴崎さん』
「!…私のこと知ってくださってるんですね」
『もちろん!笠原からも柴崎さんこと聞いてたしね』
そういうと納得したらしい。ボソッと笠原に余計なこと言ってないでしょうねと言うと物凄い勢いで首を横に降る笠原。
そんな姿に笑ってしまった。
『あ!っていうか、二等図書正〜なんて言わなくていいから!長いでしょ?名前で呼んでよ』
「えっ!?…わかりました!!名前さん!!」
よろしい、もちろん柴崎さんもね?というとびっくりした顔をして私もよろしいんですか?と聞いてきた。
『逆に柴崎さんがダメなんて理由ないから!ぜひ呼んでやってよ』
そう笑うと柴崎さんは「私も"さん"なんて要らないです」といい微笑んだ。
『いやぁぁ!もうここの職場は可愛い子や美人さんが揃って嫌ねぇ!!』
二日酔いがどっか行っちゃったと思っているとガンと頭に衝撃が来た。そしてカムバックしてくる二日酔い。
誰だと睨むとそこには眉間に皺を寄せた班長殿と笑ってる小牧、困っている手塚がいた。
「入口でなにやってる!邪魔だろ!!」
すっすみません!と謝りすごいスピードで食堂に入っていく笠原。班長殿たちに挨拶をしながら入ってく柴崎。私に挨拶して呆れながら入っていく手塚がいた。
『…暴力で従わせるなんて、なんて怖い班長なんだか』
「お前な!」
また怒りそうだったのでパッと1歩後ろにいた小牧におはようというと朝から賑やかだねと返事にならない答えが帰ってきた。
今度は食堂から何やら騒がしい声が。またあいつらは何度も何度とため息をついた班長殿を見ると先ほど入っていった3人(正確には2人?)が騒いでいるらしい。若いなぁと思ってるといつの間にか小牧が食堂に行ったようでここにはいなかった。
「……お前大丈夫か、顔色少し悪いぞ」
『!…班長殿が殴ったからじゃありません?』
「その班長殿っていうのやめろ。」
『はいはい、堂上堂上っと。……よく分かったね』
「アホ、それくらいわかる。
…だから酒は今回はやめろって言ったんだ」
『だって行けると思ったんだもん…あ!焼き魚美味しそ……でもなぁ……』
今日は焼き魚定食がメニューの1つとなっていた。しかし、
……絶対食べきらない。いや、入ることは入るだろう。しかしすぐに私のお口からこんにちはするに違いない。
「たっく……」
そういうと焼き魚を頼んだ堂上は、行くぞとみんながいる方に歩き出した。
『先行ってて!私はちょっと悩む』
「アホか。何のために俺がこれ頼んだと思ってる」
『…え!もしかして私に分けてくれんの!?』
「…だから早く来い」
そっぽを向くとスタスタと歩いていってしまった。
全く、照れ屋は困ったもんだ。
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