番外編

14話




「ただいま〜」

「おかえりって…え!?名前さん!!?」

『えっと…おじゃまします?』

「さっき会ってね。はい、笠原の」

「そうなんだ!どうぞどうぞ、こちらに!!お、ありがとう〜」

「一本500円ね」

「珍しく自分で買いに行ったと思ったら普通に買うより請求高いし!!!」

「冗談よ」


わけもわからぬまま柴崎に連れられて入った1室には、笠原がいた。

2人の会話を聞きながら、あぁ、2人の部屋かと理解はしたが納得はできなかった。笠原には悪いが、今は会いたくなかった。どうしよう、誘ってもらっておいて悪いが今日のところは遠慮させてもらおうかと考えていると柴崎から早く入れと催促される。


『うーん…今日は遠慮しと「何か思うことがあるのなら早く解決したほうがいいですよ?」…え?』



断りをいれようとすると柴崎にそうさえぎられた。思うことがあれば解決……確かに解決できるものならしたいが……



「?何か悩みですか??よければ聞きますよ!楽になるかもしれないし!!」

『……うーん…まぁ…』

「……………悩みはあんたに関係してんのよ」

『ちょっ、柴崎!!!??』

「え!?私ですか!!?じゃあ尚更!!何かあるなら言ってください!!」




柴崎がなぜ知ってるのかは知らないが、いよいよ逃げ道がなくなってしまった。
えぇい!こんなうじうじ私らしくもないか!!


気合いを入れるためにパチンっと頬をたたくと失礼します!とチビチビとお酒を飲んでいる柴崎の隣、笠原の目の前に腰を下ろした。




『……えっと…』

「は…はい……」

『…………その………』

「…………はい…………」

『……………………』

「……………………」

『「………………………………」』






「あーーーーー!!もう!!!」

『「!?」』

「じれったいなぁ!!!!お酒がまずくなる!!!さっさと聞いてみればいいんです!!!!」

『はい!!!すみません!!聞きます!!!!』



いよいよ柴崎に怒られてしまった。目が据わってたよ…でも…そうだよな……ここまで来ちゃったら聞くしかないよね。



『……あのさ、笠原』

「はい」

『………あつ…堂上のこと…どう思ってるの?』

「え!!!??堂上教官のことですか!!??」



勇気をだしてそう切り出すとやはり堂上の名前のところで赤くなる笠原を見てあぁ、やっぱりそうなのかと思う。
覚悟はしてたけど、実際聞くとやっぱりなんとも言えない気持ちになる。


「…笑われるかもしれないですけど…」


…笑わないよ……あいつ…何だかんだで優しいもんね…好きになるのもわか「ちょっと待って、名前さん、変な方向に考えてませんか?」


『……変な方向って何、柴崎。ちゃんと理解してるつもりだけど』

「嘘です。笠原、続き」

「え?あ、うん……」


嘘ですって…嘘も何もついてるつもりはないんだけど…そう思いながらも笠原が何か言おうとしてるので目を見て聞く体制に入る。



「…見計らいの件知はってますか?」

『…うん、知ってるよ』

「あの時助けられて、あの人の背中を追いかけてここに来ました。今思うと、一目惚れだったのかもしれないです」

『……うん』



でも…と笠原は続ける。


「今は恋愛感情っていうより、憧れであり、目指す場所みたいな感じなんです。…今は名前さんも同じ特殊部隊の女性の先輩として憧れです。」


未だに失敗ばっかの私が何言ってるんだって思うかもしれないですけど…と、照れ笑いする笠原を見て私はよく笠原のことを見ていなかったのかと思った。


『……ごめん……』

「えぇ!?なんで謝るんですか!!??」

『…へへ…ちょっと……柴崎も、ありがとう』

「私は別になにもしてないですよ」





結局、自分の自信の無さから出た勘違いで終わった。すぐには、自信を持つのは無理だけど。もう少し信じる力が欲しいと思った。






「そんなことより、私は名前さんの恋愛事情のほうが気になるなぁ〜」

『わ、私のことはいいよ!!』

「え!?私も聞きたいです!!」







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