番外編

15話





結局昨日は、私が篤のことが好きだと認めるまで2人は帰してくれなかった。柴崎は、それでも納得がいかなかったようで部屋を出てから問い詰められ付き合っていることを白状させられた。別に隠していたわけじゃないから困りはしないのだけれど。
確信めいたことを言ったから応えたのに、ただカマをかけただけだったらしく柴崎はおどろいていたが。





『はぁ……』

「?どうした、なんかあったか?」

声がした方に体を向けると、そこには堂上が立っていた。
1人でいたため小牧は?と尋ねると急にムスッとし、


「別にいつも一緒ってわけじゃない。悪かったな俺だけで」

『別に悪いだなんて言ってないでしょ?…あ、そうだ。先に謝っておく。ごめん』

「?何が??」

『柴崎にね、言っちゃった。私達が付き合ってるって』

「……はぁ!!??」

『本当ごめん!!…まぁ、柴崎のことだからむやみやたらに言わないだろうけど…』

「たしかにな。まぁ……いじられそうではあるが」


それは否定できない


「というか、なんで謝る」

『え?』

「別に隠してるわけじゃない。仕事場までに私情持ち込んでるわけじゃないし、図書隊同士付き合っちゃならん規則とかないだろ」

『いや、そう……なんだけどさ』

何だと不満そうな感情を顔全体であらわしながらじっとこちらを見てくるので思わず目線を落とす。


『あの、えっと…堂上さんが嫌かと思いまして……』

「なんで俺が嫌がる」

『……からかわれるの…とか……笠原…にバレるの…とか?』


いや、何も無いってことはわかってるんだよ!!??本当に!!!

そう、あわてて付け足すとグイッと手首を掴まれ脇の影になる方に引っ張られた。

そして、私の後ろの壁にドン!と、音を出しながら手をつく。これはもしや少し前に流行ってた"壁ドン"!!!???



あ、篤っ……









『って、何!?怖い怖い怖い怖い!!!!』


キュンなんてしないよ!!顔見てみ!!!!鬼みたいな顔してるよ!?もはや、鬼の方が可愛いものかもしれない!
誰だよ!キュンとするなんて言ったヤツ!!別の意味で心臓バックバクだよ!!!!!




「はっきり言う。俺は自分の意思でお前と付き合ってるんだ。誰にバレようと、気まづくもないしなんなら牽制にもなっていいとも思う」


まぁ、からかわれるのは程々にしてほしいがなと笑っていう篤にポカーンとしてしまう。

篤のたったこれだけのセリフで安心してしまう私。もっと早く言っていればよかった。




「……なんか言えよ」


あ……そうだ。何か言わないと……嬉しい気持ち。不安だった気持ち。言葉にしなければ伝わらない。



口を開いたその時篤はギョッとした表情をした。
「おまっ、何泣いてんだよ!」





『…………え?うぉぉおおお!!なんじゃこりゃぁぁぁ』


「うるさい!!!……たっく…」



目元に手を持っていくとなんということでしょう。涙がボロボロこぼれているではありませんか。

泣く気なんてこれっぽっちも無かったのに。びっくりしていると、篤の胸元に顔を押しつけられた。その時『ぶふぉ!?』という何とも言えない声を出してしまったのは許して欲しい。


『えっと……あ…つし???』


「何、不安になってんだよお前は。1人でかかえて自己完結するのお前の悪い癖だぞ。折角近くにいるんだ、どんなことでもいい。俺に言え」



『……うん。ありがとう、篤』



「あぁ」










しかし、胸元に押しつけらているのはだいぶいい歳な私でもドキドキする訳だが、如何せんかたい。息がしづらい。そして、そろそろ時間も迫ってきていることであろう。胸元から顔を外そうとするとぐいっと元に戻された。


『……ちょいと堂上さん。そろそろ大丈夫なのでおはなし頂けないでしょうか』


そういうと、あぁという返事は聞こえたもののなかなかはなしてはくれない。無理やり目線だけを上に向けることに成功したがそこで見えたのは耳を真っ赤にした篤だった。

『…………えっと、照れてます??』



「だまれどアホ!!」


そう言い頭を引っぱたかれた。
解せぬ。



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