番外編
4話
『改めて、よろしくね!』
「笠原郁です!よろしくおねがいします!!」
『よろしく!
特殊部隊少ない女同士、困ったこととかあったら言ってね』
「手塚光一等図書士です。よろしくおねがいします」
『はははっ、いいよ〜そんな固くならなくて!よろしくね』
「名字、久しぶり」
『小牧!一緒の班で心強いわ』
そんな会話が目の前で行われているにも関わらず全く頭が追いつかない。北海道にいるはずのこいつがなぜここに?いや、嫌なわけじゃないがどうも信じられない。でも、こいつは目の前にいるわけで…そんなことを永遠と頭の中グルグル回っていると『堂上班長、』と名前に呼ばれたのを機に意識が浮上する。
『北海道図書基地から参りました、名字名前二等図書正です。班が少しずつ落ち着いてきた所、ご迷惑おかけします。一刻も早く、こちらの環境に慣れるよう、業務をしっかりこなしていこうと思っておりますのでよろしくおねがいします』
そう言うと、びしっと敬礼をする。その姿に「おっおう…励め」とつっかえながらこたえると「ぶはっ」の吹く音が聞こえた。
『あはははははっもうだめ!耐えられない…!!』
「ちょっと名字!我慢してたのに…あははははは」
突然笑いだした2人にポカンとする手塚と笠原。だが、仕方もないことだろうが。
『本当に久しぶり、堂上!』
「"久しぶり"じゃないだろ!?俺は何も聞いてないぞ!!??」
『そりゃそうよ。言ってないもん、私。』
「言えよ!!」
『言ったら面白くないでしょ?』
さも当たり前みたいに言われても困る。というか、どこかで聞いたな、その台詞...
『というか、細かく言えば数人には言ったよ?』
「...誰に?」
『えっと...まず、家族でしょ、』
まあ、当たり前だ。自分が言われなかったのは気にはなるが、家族にまで黙ってきたといわれた時にはまたそれはそれでおこる。
『あと小牧!!』
...は...??
「小牧ってこの小牧か??」
隣にいた自分が知っている小牧を指さし聞いてみる。いや、まさか違うだろ。そうだ、きっと友達とかもしくは「はーい、この小牧でーす」脳内で考えたことを否定するかのように隣にいる小牧は、それはそれは腹が立つほど素晴らしい笑顔で言った。
「いや、おかしいだろ!!!!!!!!」
なんで小牧は知っていて俺は知らないんだよ!!??
『別におかしかないよ。一緒の班になるんだもん、報告するでしょ?
堂上に言わなかった理由はただ一つ。
知ったら面白くないから、それだけよ』
最後にニコっと笑った。鉄骨も付けてもう一回怒ろうとした時「あの〜」と空気を読まない感じでそして、なおかつ遠慮がちに笠原が言った。
「名字さんは教官たちとお知り合いなんですか??」
『ん?うん、そうなの
図書大の時同級生でね?私は北海道で働くことになったんだけど今回運良くこっちに移動になってさ!』
「そうなんですね!えー…図書大時代っね教官たちどんな感じだったんですか?!」
「おいっ、今聞くことじゃないだろ!」
「えー…でも、手塚も気になるでしょ??」
笠原にそう言われると否定出来ないのかそれは…と黙ってしまったので仕事終わってからでいいならというと2人は目を輝かして納得してくれた。
「そうだね。積もる話もあるけど、それは後ということで…そろそろ仕事始めようか。ね、堂上?」
「えっ、あぁそうだな。じゃあ、小牧・手塚そして、笠原は俺と「待った。」…なんだ、小牧」
「笠原さんは今回俺達と一緒に組むよ。堂上は名前と施設案内がてら巡回しなよ」
「しかし…」
「それでいいよね?」
しぶっている堂上を無視して名前に小牧が聞くと頷いたのをきっかけにお開きになった。
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