それはもう風にした
荒れはてホテルと呼ばれる廃墟にゴーストタイプのポケモンがよく出るという噂を耳にしたナマエは、久しぶりのミアレシティをよく観光もせずに飛び出してしまいました。
途中、ポケモンセンターで買えるだけのボールを買い込んで来たせいか、廃墟の中で出会うのは期待したゴーストポケモンではない、ボール型のポケモンばかりです。
そろそろ日も暮れる頃だし、もう諦めようと廃墟を出たナマエは目を丸くしました。
なんと、目の前を、あれほど探していたゴーストポケモンがふよふよと漂っているではありませんか。
オレンジの身体を大きく傾いた太陽によってより一層濃い色にしたバケッチャはナマエにはとても幻想的に映りました。
どうしても、あの子をGETしたい…!
そして腰につけたボールから迷いなくひとつのボールを選び取り、草むらへ挑んでいくのでした。
その後、無事バケッチャをパーティに加えることに成功したナマエはご機嫌なままミアレシティのポケモンセンターへ宿をとりに戻りましたが、部屋についてポケモン達を解放すると、どういうわけかヒトツキが頗る不機嫌な様子でした。
そこそこ付き合いの長くなってきたルチャブルやエレキテルですら、なかなか見せない先輩の様子に驚いたのか部屋の隅に逃げ込んでしまいますし、ましてや新しく仲間入りしたばかりのバケッチャはオロオロと所存なく彷徨うしかないのでした。
後輩ポケモン達が腫れ物を触るように避ける中、ナマエには何故不機嫌なのかすぐに検討がつきました。
それは、2匹目のパーティとしてルチャブルを迎えた時もこんな反応だったからです。
ヒトツキはいわゆる、ジェラシーというものを感じているのでした。
頬がゆるゆるとあがるのを感じながら、ヒトツキをギュッと抱きしめます。
2本分の身体を抱きしめるのはなんだか不安定ですが、ナマエはだいぶ慣れてきていました。
「そんなに不機嫌にならなくても、私にはあなたが一番よ」
そういって目の当たりをさすってあげると、仕方ないなと言わんばかりにひとつ、ため息のような鳴き声を発すると、ヒトツキは大人しく抱かれていました。
そんな様子を見て、バケッチャはやれやれといった仕草をみせたのでした。