月が海をとかしてく
※若干ホラー要素あり
苦手な方はこのお話を飛ばして下さい
後日、再度起こった嫉妬騒ぎなど一悶着ありつつも、無事ヒトモシを仲間にすることができたナマエは次なるゴーストポケモンを求めて今日こそ次の町へ旅に出るのでした。
パーティは、ニダンギル、ルチャブル、エレキテルにバケッチャ、最後にヒトモシと段々オカルトマニアらしさが出てきたようで、腰のボール達を撫でてはだらしない笑みを浮かべるのでした。
(何かを察知したのかボールのひとつがカタカタと反応しておりましたが)
14番道路を突き進んでいると、ナマエに声をかける人物がいました。
全身黒い服に身を包み、背後に可愛らしいヒトモシを連れた彼女は、まさにナマエの目指すトレーナー像、オカルトマニアでした。
トレーナー同士が目を合わせればとりあえずバトル、ということでとりあえず一戦交えた後。
ナマエは彼女(名前を、イノリさんというそうです。)と沢山のことを話しました。
オカルトマニアになったきっかけ、ゴーストポケモンの魅力について。などなど。
「今日ここで会うことは決まっていたことだけど…、貴方とお話ができてよかったわ」
と怪しい笑みを浮かべた彼女は、去り際に一言だけ残していきました。
「北の怖い家にはもう行ったかしら?
面白い話が聞けるから、まだ行ったことがないのならぜひ足を運んでみてちょうだい」
怖い家、なんだかとてもオカルトマニア魂を擽られる名前です。
沼地を越えてようやく辿り着いた家は、薄暗く中に人がいるとは思えないような場所でした。
もしかして、話をしてくれるのは幽霊なんじゃないかと僅かな期待をのせてドアを開くと、そこにいたのは普通のおじさんでした。
「…さて、素敵に怖い思いができたんだ。」
と言ってチップを要求してくるものですから、ナマエはこう続けました。
「なら、おじさんはヒトツキの柄を握った体験はある?」
そう言って普段は絶対に触らせてくれないヒトツキの柄を寝ている隙をついてひっそりと握った時の体験談を静かに話しました。
おじさんの顔は少々ひきつってはいました。
…ここで言えることはこれだけです。いい子はヒトツキの柄は握らないようにしましょう。
流石にこんなボロ屋で怖い話をし続ける身としては負けていられないと思ったのでしょう。
話を終えて立ち去ろうとするナマエの背中に、
「君は、まだミアレシティの例のビルへは行っていないのかい?」
と、声をかけました。
例のビルがどのビルのことかさえ分からないナマエは首をかしげます。が、
「じゃあ、そのビルへ行ってみて面白いことがおきたら、私はここへ戻ってきてチップを払ってあげる」
と、自信満々で言い返してやりました。
後日、ミアレシティへ戻ったナマエが興奮冷めやらぬ顔でこの家に戻ってきたのは言うまでもない話です。