くらすことににゃりまして
「それで猫になったってわけか」
「はいにゃ…」
あの後伊地知さんの運転する車で高専まで帰ってきた
そして念の為に硝子さんに見てもらうことに、悟くんは報告のために席を外している
「おそらく問題はないが流石に動物は専門外だからな、何か不調があれば直ぐに来てくれ」
「わかりましたにゃ」
ガラガラ
「しょ〜こ〜、夢子どう?」
「今終わったところだ、今のところ問題ない」
「それはよかった」
遠慮なく入って来た悟くんは真っ直ぐこちらに向かって歩いて来てしゃがみ目線を私に合わせる
「それじゃ行こっか」
「にゃ?」
「なんだ、説明してなかったのか」
困惑している私をみて硝子さんが呆れた顔をする
どういうこと?戸惑う私をみて硝子さんが話を続ける
「君、しばらく五条の家で預かることになったんだよ」
「にゃ?!」
「だって〜仕方がないでしょ?今は可愛い猫ちゃんなんだから任務も行けないし生活にも困るでしょ?」
言われてみれば確かにそうだけど、それでも悟くんにお世話になるのは気恥ずかしいし忙しさを考えると迷惑じゃ
そう思いご飯だけなんとかしてもらって高専の寮に置いてもらえないか提案をしたところ
「3日で消える呪いだと思うけど見てないところで何かあると困るし、そうなると誰かを頼るしかないけど、君を僕以外がヤツが面倒見るなんて絶対ヤダ」
手で大きなバッテンを作って強く拒否されてしまった
どうやら悟くんの意思は固いみたい…
「あきらめろ、こうなったら五条はテコでも動かないよ」
「それにいつもお互いに忙しくて僕とずっといっしょってなかなかできないでしょ?それなら3日ぐらい僕といてよ、ハイ!決定!!」
「う〜ん、わかったにゃ」
こうして私は3日間悟くんと行動を共にすることになった
でも確かに久しぶりの食事も私のせいで流れてしまった事もあったが、最近あまり会えておらず私も寂しかった事もありこんな姿だけど少しだけ嬉しかった
「それじゃ帰ろっか、おいで」
「悟くん、私歩けるにゃ」
「何言ってんの、歩幅も違うし今は呪力もうまく練れない、それにそんなちっこいんだから外歩く時は悟くんタクシーで移動です〜」
そう言いながら私は悟くんにだっこされ、硝子さんに手を振られながら部屋を後にした
―
ガチャ
「お邪魔しますにゃ」
「自分家だと思って寛いでね」
何重ものセキュリティを潜り初めて訪れた悟くんの部屋はシンプルだか質の高さが伺える部屋だった
まだ慣れない肉球の足でそろそろと玄関からリビングへ入る
リビングには大きな窓がありこの部屋の高さがよく分かる
「それじゃご飯にしよ、とりあえず今日は寿司のネタだけ食べようか、明日からは猫が食べちゃいけない物は避けてなにか用意するよ、キャットフードは流石に嫌でしょ」
「お手数おかけしますにゃ」
帰りにお寿司屋さんでテイクアウトしたお寿司を広げながら悟くんが話す
もう悟くんには足を向けて眠れないな〜
深々と頭を下げてお礼をした
パシャっ
「にゃ!?にゃにとってるの悟くん!」
「いや〜猫のお辞儀がかわいくてつい」
いや、分からないでもないよ?
私ももふもふがお辞儀してたら撮るもの、だけどそれとこれとは別というかなんというか…
「とりあえず写真撮る時は言ってにゃ…」
「あ、言ったら撮らせてくれるんだ♪」
「考えるだけにゃ」
「ケチ〜、ほらおいで」
悟くんに導かれるまま行儀は悪いがテーブルの上に移動する
艶々と綺麗な寿司ネタが並ぶお皿を見て目を輝かせた
「美味しそうにゃ!」
「ここ美味いよ、今度はちゃんと店で食べようね」
「はいにゃ!それじゃ」
「「いただきます」にゃ」
はぐはぐと美味しそうに食べる夢子を見ながら僕は今日を振り返っていた
現場に着くまで生きた心地がしなくて、着いたら着いたで猫になってるし
呪物を見て効果は短い事を確認できてどれだけ安心したか
猫の姿も可愛いけれどやっぱり僕はいつもの君が1番好きだから
まぁ治し方が分からなくても僕だから絶対元に戻してあげたけどね?
「美味しかったにゃ〜」
「だよね〜!」
それにしてもこの子はお腹いっぱいで幸せそうにしてるけどこの後どうなるか分かってるのかな?
「それじゃ食べ終わったから次はお風呂行こうか」
「はいにゃ!……にゃ、あの、それって」
「あ、気が付いた?そうだよ、僕と一緒に入ろうね」
「にゃにゃ!?え、遠慮するにゃ〜!!」
「逃がさないよ?」
そして僕は逃げようとする小さい体を抱えて風呂場へ移動した
―
「にゃ…」
「あまりにも暴れるからちゃんとタオルは巻いてあげたでしょ」
疲れた…こんなに疲れるお風呂初めてだったよ…
お布団に包まりお風呂場で見てしまった悟くんの体を思い出しては悶えてしまい猫なのに顔が赤くなってる気がする
そうしているとお布団の上からトントン軽く叩かれる
「真ん中で包まってるのかわいいけどちょっとだけずれてもらってもいい?」
「にゃ?」
「ん?一緒に寝るよ?だってここ僕のベッドだし」
「それにゃら私はソファにでも!」
「させるわけないでしょ、ほらほら寝るよー」
悟くんが横に入って来て今度は緩く撫でられる
「…無事で良かった」
「にゃ…心配かけてごめんにゃ、私も気絶する時悟くんの事思い出してた、悟くんとまた会えて良かったにゃ…」
「本当だよ、君が呪術師として生きる事を否定はしたくないけど出来るだけ生にしがみついてほしい」
「…約束するにゃ、悟くんの側に頑張っているにゃ」
「言ったね、約束だよ」
先程までとは違ってそっと囁く様に会話をする悟くんの手の優しさに目が閉じていく
ふと額に手より柔らかい暖かさを感じながら私は眠りに落ちた
「………キミは置いてかないで…ずっと一緒にいてね…」
2025 03.05