第4話   語られる力

敵を倒して巻物を村に届けた10班は、村を出発した後近くの町で宿を取ることになった。
「さて、由良。聞きたいことがある。」
アスマは部屋に入った途端に座って由良をまっすぐ見つめた。
由良の腕には、あのつぎはぎだらけのネコの人形が抱えられている。
由良はただ真正面からアスマと向き合う。
他の3人は戸惑うようにアスマと由良を交互に見ていた。
「初めて会った時から、その人形にチャクラが込められているのは分かった。
だが、その人形は何だ?傀儡の術にしては何かが違う。
あの術は一体何だ?」
「普通の傀儡の術とどう違うんですか?」
アスマの違和感がよく分からなかったいのは
素直に疑問をぶつけた。
「…そうだな、傀儡の術の基本は指先から
チャクラの糸を発して傀儡人形を操るというもの。
だが由良の術はチャクラの糸が見えなかったことが1つ。
もう1つは動きだな。」
「動き?」お菓子を食べながらチョウジは首を傾げた。
「この術は今話したようにチャクラの糸を使って
人形の動きを操るんだ。
だがあの動きは操られた人形にしては動きが速すぎる。」
由良はただ黙ってアスマの見解を聞いていた。
「由良、話してくれないか?」
「…別に大したことじゃないですよ。」
由良の言葉に4人は由良を見つめた。
「傀儡の術と違うって言えば違うのかもしれないですけど。」
由良は抱えている人形の頭を撫でていた。
「私には生まれつき大きな力がありました。」
「大きな力?」シカマルが眉をひそめた。
「大きすぎる力は破滅を呼ぶ。」
由良の静かな言葉が重く感じた。
「ずいぶん物騒な話だな。」
「…この力はとても大きなものです。
扱うことが難しく一歩間違えれば暴走しかねない。
ですが持って生まれたものをどうこうすることは難しい。
だから破滅を呼ばないためにコントロールする術を教えられました。
この佐保姫はその1つです。」
「それはどういう術なんだ?」
「……………人形に魂を込める術。」
その言葉にアスマが目を見開いた。
「何を言ってるんだ?由良。
人形に魂を込めるだって?
そんな忍術、聞いたこともないぞ。」
「忍術じゃない。」




|
novel top
ALICE+