第4話   語られる力

「この子はストッパーでもあるから。」
「ストッパー?」
「私の力はコントロールするのが難しい。何がきっかけで暴走するかわからない。」
「じゃ、この子は由良が暴走した時の
ストッパーの役割をしているってこと?」
いのの解釈に由良は頷いた。
「本当にただの人形じゃなかったのね。」
いのは気まずそうな顔をして言った。
「アスマ先生が言ってたの。
ただの人形にしか見えないものでも、
忍者の持つものには必ず意味があるんだって。」
由良は黙っていのの話を聞いていた。
「ごめんなさい。」
いのの言葉に由良は首を傾げた。
「前に馬鹿にしたことがあったでしょう?」
そう言って俯くいのの言葉を聞き、頭を捻っていた由良は手をポンと打った。
どうやら忘れていたらしい。
「いいよ。」
その言葉にいのは漸く由良と向き合えた気がした。
「別に周りの悪意とか気にしないけど、
悪いって思ってるならこの子も名前で呼んであげて。」
名前は一つの呪(しゅ)であり、名を持つモノにとってはとても大切な物。
「この子は人形だけど、ちゃんと名を持っているから。」
そう言う由良にいのは深く頷いた。
「ありがとう、いの。」そうして由良は笑顔を見せた。
由良の笑顔にいのは驚き、安心した。
初のCランク任務から帰還して数日。第10班は修行と任務を繰り返す日々を送っていた。
修行ではそれぞれの個々の能力を高めることに加えて、4人のチームワークを高めることに力を入れていた。




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