第2話 仲間として繋ぐモノ

「ふぁ〜。」
正式に下忍となり任務をこなすようになった
第10班のメンバーの一人、シカマルは
集合場所に向かうところだった。
「シカマル、おはよう。」
後ろからよく知る声がして振り返ると、
案の定チョウジがお菓子の袋を持って歩いてきていた。
「お〜。」シカマルは挨拶を返し、チョウジと共に歩き出した。
「今日は何するのかな?」
「さぁな、考えるのもめんどくせー。」
「僕、この前みたいな草取りはヤダな〜。」
「どうだかな〜。」
他愛もないことを話しながらのんびりと歩いていた。
「でも、シカマル。良かったね。」
「あ?何が?」笑顔でそう言うチョウジにシカマルは顔をしかめた。
「由良と同じ班になれて!」
「!」シカマルは驚いて立ち止まった。
そんなシカマルにチョウジは笑って続けた。
「由良、人見知りするみたいだけど良い子だし、仲良くなれるよ!」
そうして歩いていたが、立ち止まり動こうとしないシカマルを振り返った。
「…なんで?」シカマルは聞かずにはいられなかった。
一度も言葉にしたことがないのに。
その様子を見たチョウジは穏やかに笑って言った。
「言わなくても分かるよ。シカマル、ずっと見てるんだもん。」
「チョウジ…。」
「僕、応援してるよ。」
自分の気持ちを知って、幸せを願って、
応援してくれている親友の気持ちがシカマルは嬉しく感じた。
だが…。
「……どうだろうな。」
応援してくれているその気持ちは嬉しい。
しかし、シカマルには由良と仲良くなれる自信がなかった。
それがシカマルを不安にさせた。
チョウジもシカマルの気持ちを察したのだろう…。
何も言えず心配そうにシカマルを見ている。
シカマルはその不安を振り切るようにチョウジに言った。
「そんなことより早く行こうぜ。遅れると、めんどくせーことになる。」
そう言って歩き出したシカマルをチョウジは何も言えなかった。



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