第2話 仲間として繋ぐモノ

「おっそーい!!」
シカマルとチョウジが集合場所に着くと、
すでにいのと由良が待っていた。
その様子にシカマルは溜息をついた。
「ったく、まだ時間前だろ。」
「結構待ったもの!」
そんな言い合いはいつものこと。
その様子をアスマは宥め、由良はただ眺めていた。
「ほら、いのも落ち着け。全員揃っただろ。じゃ、今日の任務は…。」





「で、なんでまた草取りなのよ〜!!」
「ごちゃごちゃ言うなよ、めんどくせー。」
「任務なんだから仕方ないだろ。」
「草むしりはもうヤダ〜!」
「………。」
今日の任務は、農家の畑の草むしりだった。
簡単ではあるがかなりの重労働となる為、
いのとチョウジは不満げだった。
だが由良はそんな簡単な任務も嫌いではなかった為、
黙々と作業を続けていた。
「ほら、文句ばっか言ってねぇで、手を動かせ。
由良はどんどん作業を進めてるぞ。」
アスマに窘められて、いのもチョウジも渋々と手を動かす。
「由良はよくこんな作業を黙々とやってられるわねー。」
そう言い放ついのに対して由良は何も言わず作業を進めた。
いのはそんな由良の態度が気に入らず、よく突っかかっていた。
「あぁ、ろくなお喋りも出来ない根暗ちゃんは言い返すことも出来ないのねー。」
いのは更に嫌味を言い放つが、由良はお構いなしに作業を続けている。
その由良の態度が益々いのを腹立たせていた。
いのの険悪さにシカマルは溜息をついた。
「ほら、いの。さっさと終わらせようぜ。」
いのの意識を由良から逸らすために、シカマルは作業を促せた。
いのの腹の虫は収まらなかったが、
任務が終わらないと帰ることも出来ない。
そう考えたいのはチッと舌打ちして作業を進めた。

そんなやり取りを由良は横目で二人の様子を見ていたが、
その様子に誰も気づいている様子はなかった。




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