その後の話

私と晴明が夫婦となるまでそう時間はかからなかった

とは言っても元々共に暮らしていたのだから特別何か変わったという事などはないのだが

どこから聞きつけたのか
相変わらず天界では流行の覗きからか昼子から祝いの品が届いたりもしたが私たちは変わらずだった

以前よりはマシにはなったがやはり私は付き合いは悪く
穏やかな時間を二人で過ごした


そんな私たちに
ある日とある変化が起きた


「晴明、喜べ」

「如何しましたか?」

「私はお前の子を孕んだぞ」


男女が一つ屋根の下に住み
営みを行えばこうなるのは何ら不思議ではない


「私の子、ですか?」

「当然だろう」

「私は親になった事はありませんが、大丈夫でしょうか…」

「私とて同じだし赤子の世話も初めてだがどうにかなるだろう
私とていざとなれば頼るあて位はあるしな」


昼子あたりがどうせまた聞きつけてやってくるだろうし
そこで漏らしておくのも良いかもしれない


「しかし、そうですか
私たちの子供ですか…」


晴明は何かを考えながらも
私の元に歩み寄り、そっと私の体をその身におさめた


「どうかしたか?」

「いえ、私は貴方に与えてもらってばかりだと思いまして」

「ほう?」

「貴方は私を生かしてくれた
教養を与えてくれた
愛してくれた
そして次は私に家族を与えてくれる」


そう言って私を抱きしめる晴明の体は暖かかった

与えて貰ったのはこちらも同じだと言うのに


「なまえ、愛しておりますよ」

「あぁ、私もだ」


生まれてる新たな命に
幸あらんことを