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おそらく自棄だった

本庁での些細なミスが原因でこんなクソみたいな田舎に飛ばされて
やる仕事と言ったらパシリみたいなもの

そんな時あんな力を手に入れ
楽しいと思った

けれどやっぱり苛立ちは完全には消えなかった


僕が落とした女子高生が原因でこんな雨の中でも仕事
本当にやってられない


(…なにあれ)


視界に入ったのは傘を差さずに歩く女子高生

目線はまっすぐでまるでこの雨に気付いてないようだった

けれど髪も服もこれ以上ない位濡れてるのが遠目にも分かる


(てかあの制服…)


聴取しなくてはいけない対象
面倒だと思いつつ
少しくらいは仕事をするかと意を決して話しかける


「ねぇ、ちょっと君」

「なんですか?」


濡れた髪と
体に張り付く制服
そしてどこか冷めた目をした少女はどこか扇情的で

思わず僕は
この少女で遊んでみたいと思った





「出来れば、優しくしてください」


三度目の正直ってやつだろうか
この少女は今までの女と違って抵抗する事もなく
この事態を受け入れてくれた
見た目は今までの女の中でも一番真面目そうだったのに
本当に女ってのは分からない


「あーあ、下着も意味をなしてないねこれ」


さすがに直に借りた服を着るのは気が引けたのか
ジャージの下の下着は濡れたまま
肌に張り付き肌色が透けて見える

ゆっくり撫で上げると少女の体がびくりと震えた


「大丈夫だよ、優しくしてあげるから
僕は優しいからね」


一度笑いかけてあげたけど
相変わらず
その目は冷めたままだった



「…親と連絡とれました」


事が終わり
乾燥の終わった制服に着替えながら少女はつぶやいた


「あっそ、玄関の傘適当に持ってって良いから
さっさと帰んな」


正直、事の最中から後悔した
まさか処女だったなんて思わなかった

下手に優しくしすぎて面倒な感情を持たれても困るし
気を使うのもだるくて少し手加減してあげたくらいで血が出ようが気にしない事にした

あまり痛がってた様子も無かったから多分大丈夫だと思うけど
それにしても最近の女子高生は本当に分からない


「お邪魔しました
それでは」


一番ボロいビニール傘に手をかけ
少女は一礼すると扉をしめた

…意外
自分で手を出しといてあれだけど

女ってのはめんどくさい
一度寝ただけで彼女面するような女が僕はとくにめんどくさいと感じる

けれど彼女はまるでなにもなかったかのように
ご丁寧に頭まで下げて帰って行った

よほど貞操観念がゆるいのか
それともよほど自分に興味がないのか


「…あはは、最近の僕ちょっとツいてるかも」


暇つぶしには困らない

そう思った