腐れ縁

「ただい…」
「「盧笙おかえりー」」

ただいまを言い切る前から
部屋の中からおかえりが聞こえてくる

よく帰ってきて真っ暗な部屋が寂しい、だから家族が欲しいなんて話を聞く
その気持ちはよくわかる、帰ってきても家が明るくて
ご飯があって、風呂がわいてて

「ねー盧笙ーお腹減ったー」
「今日の飯なんなん?俺らシャワーも浴びたし待ちわびたわ」
「何で!俺が!飯まで作らなあかんねん!!」

帰ってきたら電気が煌々とついとるのに
風呂も飯も無い、けど風呂上がりで飯を待ってる人間がなぜか二人もいる
帰宅しても部屋の電気がついてる、の対価デカすぎやないか

てか明るい部屋なら最悪電気つけっぱで家出ればええだけなのに
何で帰って来て早々に飯を要求されなあかんのや

「じゃあピザ頼む?簓のおごりで」
「なんでや?!おかしいやろ!」
「あ、それええな。こん中で一番高給取りやしな」
「嫌や〜〜〜!!!俺盧笙の作るあったかい飯がええ〜〜〜〜!!!」
「ピザ屋の作るピザもほっかほかやで、諦めや」
「二枚頼んじゃおうーっと」
「なまえ注文はやない?!」

なまえと簓、俺の3人は腐れ縁ってやつで気付けばずーっと一緒で
気付けばこうやって二人とも俺の部屋におる

勝手に複製しまくったらしいうちの合鍵を持つこいつら二人を拒む手段はなく
知らんうちにこうして勝手に居ついてる

「ピザもいいけど盧笙のご飯も食べたいな」
「なんやおねだりか、もっと可愛く頼めや」
「盧笙せんせぇ〜っ、俺美味しいご飯食べたいんよ〜っ!」
「って何でお前がやんねん!可愛ないわ!」
「あははっ!私は結構可愛いと思うよ〜?」

言うてこんなやりとりも、笑い声の良く聞こえる自分の部屋も結構嫌いじゃなかったりするし

明日は何か作ってやろうと思う