赤兎 - 春風
青天霹靂

「そ、そこのお前!我らは真選組だ!」
「足掻いても無駄だ!無駄な抵抗は止めて、大人しく投降しろ!」


震える声を無理矢理抑え込んだ隊士等が、不自然な声高さでその背中に向かって叫ぶ。
手を血に染めたその人物の耳には、確実に聞こえているは筈であるが、反応がない。それに、殺気が飛んで来る気配もない。


「あ、いたいた。##NAME1##〜!やっと見つけたよ」
「「「!?」」」


──しかし、その状況が変わった。
背後からの声に振り返ると、マントを身に纏い日傘を差した二人の男が立っていた。


「そこの二人共、今直ぐに止まれ!」
「そこを動くな!」


しかし二人の男は、真選組隊士らの制止の声など気にも止めずに、隊士を押し退けて小さな背中へと近寄っていく。


「あーあ。ちょっと##NAME1##、派手にし過ぎたんじゃないの?」
「ッ!?」


その瞬間、沖田は息を飲み、その瞳孔は開き切った。


「……黙ってろ」


──##NAME1##だって……?

ドクン ドクンッ
沖田の心臓が、大きな音を立てて早鐘を打ち始めた。限りなく零に近いであろう再会という可能性を前に、沖田の脳裏にはその顔がはっきりと思い描かれた。


「た、隊長、あの傘を所持しているということは、あの男達は……た、隊長?沖田隊長?」


するとその隊士の呼び掛けに、小さな背中がピクンと反応する。そして、先程まで何の反応も見せなかった背中が、ゆっくりと振り返った。


「……##NAME1##…?」
「…沖、田、だって?」


振り返ったそれと、沖田の目が合った。そして、その目が見開かれた。

紅い瞳、腰まで伸びた栗色の髪、整った目鼻立ち…その全ては昔の面影が残されているし、何よりも自分と良く似ている。
沖田は確信した。


──間違いねぇ…。コイツは、##NAME1##だ。


沖田自身と血の繋がっている、随分昔に自分の前から忽然とその姿を消してしまった、正真正銘実の妹であった。


「嘘、だろ…?」

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春風