赤兎 - 春風
懊悩焦慮

そして##NAME1##は、真正面から神威の顔を見た。それ自体は、特に何の違和感もない動作である。

しかし、その瞬間##NAME1##はピタッと固まった。


「お前……」
「何だい?」


神威は、突然動きを止めた##NAME1##を見て聞き返した。##NAME1##は暫く躊躇した後、口を開いた。


「…お前、暫く寝てないのか?」
「………」
「その、隈がひでーからよ……」

──##NAME1##の言う通り、神威は##NAME1##が心配で傍を離れることが出来ず、その看病で五日間寝ていなかった。何せ、##NAME1##が熱を出したことなんて、共に過ごしてこの数年の間に一度もなかったことなのだ。


「そーだよ。…仕事が忙しくてね」

しかし神威は、##NAME1##に余計な心配を掛けまいと嘘を付いた。
しかし。


「仕事…?お前、いくら仕事が溜まってたっていっつも九時には寝るじゃん。まぁその癖に全然身長は伸びてねーけど。なのに寝不足なのか?」


ピキッ

その一言で、神威の額に青筋が浮かんだ。


「へぇ、##NAME1##の口は随分とおしゃべりだね?ふーん、よっぽど俺に犯して欲しいんだ?」
「わっ、来るな来るな来るな来るな、迫って来るな!!」


──本当、鋭いんだか鈍いんだか。


神威は慌てる##NAME1##の様子に内心溜め息を吐いた。
しかし、こうして二人で巫山戯ることの出来るような気の許せる間柄でいられることを、神威は酷く愛おしく思うのであった。

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春風