赤兎 - 春風
流血淋漓

「………」

##NAME1##は無言で立ち止まったままでいた。それを見た神威が立ち止まる。


「##NAME1##、どうしたんだい?」
「あ、いや…その……」


一呼吸置いてから、##NAME1##はポツリと呟いた。


「………吉原って、凄ェとこだな」

この世間知らずな箱入り娘は、自らの目の前に広がるこの見たこともなかった吉原の幻想的な光景に、声を失う程に感動していたのだった。


第肆章 流血淋漓


一方、##NAME1##を箱入り娘に育て上げた張本人の神威はと言うと。


「…##NAME1##」
「ん、何だ?」
「………まさか君、吉原で働きたいとか言い出さないよね?」
「勘違い甚だしいにも程があるぞこのバ神威」


やはり##NAME1##の心配をしていた。


「「………」」

──阿伏兎は、この任務で改めて第七師団に加わった云業と共に、そんな様子の困った上司二人を呆れて物言えず、その下らない言い合いが早く終わらないものかと眺めていた。

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春風