赤兎 - 春風
流血淋漓

「団長、見つかったか?」


そう声を掛けるのは、阿伏兎である。先程の路地裏には、神威、阿伏兎が集合していた。
それぞれが目標を探し回り始めてから、かれこれ小一時間が経過している。


「ううん、俺は大通り中心に探したけど、いないよ。それより阿伏兎〜聞いてヨ〜。大変だったんだ、女共が俺を見て珍しがって寄ってたかって来てネ」
「へーへー、そーかいそーかい。大層オモテになったようでそれはそれはようございましたね」
「ムカついたからネ、その内の一人の顔面ブッ潰しちゃった☆」
「オイィィィィ!!?アンタ何やってんだ!何がちゃった☆、だ!」


阿伏兎は盛大に突っ込んだが、謝る素振りも見せない神威を見て深く溜め息を吐く。
そこへ、云業がやって来た。


「オイ云業、いたか?」

云業は険しい形相を、更に険しくして言った。

「いや、いない」
「そうか。…後は##NAME1##だけか」


三人はその場で##NAME1##の帰りを待った。

暫くすると、屋根の上から##NAME1##が飛び降りて戻って来た。##NAME1##は地面に、すちゃっと音がしそうなくらいの見事なまでに軽やかな着地をした。


「やぁ、##NAME1##、久しぶりにカッコいい着地が間近で見れたよ。どうだった?」
「##NAME1##、いたか?」
「あ?おぅ、いたぜ」

##NAME1##は、立ち上がり服装を正しながら言った。そして能面を外し、悪戯っ子の様な表情で三人を見て笑った。


「吉原の天井に侵入して、上空から見てたんだ。来い、こっちだ」


そう言いながら面を被り直すと、瞬く間にまた再び屋根に飛び乗った。神威ら三人は、素早くその後に続く。

四人は、豪華絢爛なこの遊郭の屋根の上を、疾風の如く駆け抜けた。

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春風