赤兎 - 春風
流血淋漓

「ほら、あそこだ」
「へェ、あんな所にいたんだな」
「………」


##NAME1##ら四人は、周囲より背の高い遊郭の屋根の上にいた。##NAME1##が指を差した方向には太い配管があり、その上には複数人の姿がある。

神威はジッとそれを見つめたきり、動かなくなった。##NAME1##も目を凝らしてそれを見つめて言った。


「……花魁の恰好をした三人、銀髪の男一人、ターゲットの子供一人を確認」


神威らより目の良い##NAME1##が周囲を確認、ターゲットを確認することはいつものことだった。


「神威、指示出せ」
「……##NAME1##、君は相変わらず目も良いんだね。でさ……」


すると神威は、スッと##NAME1##に近付いた。


「……?」

##NAME1##は神威を警戒しながらも、いつもと少し違う神威の雰囲気を察し、平静を装った。


「…あの一番小さいちんちくりんな花魁、見える?アイツをよく見てくれないかい」


その声は、##NAME1##だけがやっと聞き取れる程の小さなものだった。

##NAME1##は言われた通りに、再び暫くその花魁を探して、その瞳が神威が言ったそれを捉える。そして、唇を動かさずに言った。


「……女、色が白い、傘を隠し持っている。へぇ、あれも夜兎か」
「ふぅん、やっぱりね……」
「?知り合いか?」
「うーん、知ってるっちゃ知ってる程度だよ」

神威はそう言って、真剣に開いていた目は元に戻り、いつもの笑みを顔に張り付けた。


「よし、あの配管に行こっか。まずは阿伏兎、お前が行きなよ」
「ハイハイ、分かってるっての」


神威は、阿伏兎の顔は俺らの中で一番威圧感があるしね、と言って笑った。それを聞いて##NAME1##はポツリと言った。


「…俺はお前の顔が一番威圧感があると思うけどな」
「ん、何だい##NAME1##?俺の顔が魅力的だって?照れるな〜」
「んなこと微塵も言ってねーよ!つかお前、その都合の良いように聞き間違える癖いい加減やめろよな!!」

- 4 / 8 -
春風