君の鼓動と僕の鼓動 - 春風



―――あぁそうだ。私、倒れたんだった。


そうと分かったのは、目覚めてから数秒立ってから。目覚めたのは、保健室だろうと思われる白い清潔なベッドの上。


「………ぅっ…」


体を起こすとまるで自分のものではないような重たい感覚に、思わず眉を顰めて小さく呻いた。


「あら、気が付いたのね。気分はどう?」


見ると、保健室の君菊先生が微笑んでこちらを見ていた。

私は一体、どうやってここに来たんだろう。もしや、女の子達に運ばせてしまったのかな。でも、意識のない人間をここまで運んで来れるほどの力持ちの女の子なんて、身近に覚えがない。


私のそんな疑問を見抜いたのか、先生は微笑みながら言った。


「彼、とっても心配してたわよ?お昼も食べていなかったわ。いい加減午後の授業には出なさいって言ったら、さっきここを名残惜しそうに出て行ったの」


―――あ、彼って分かる?沖田君のことね。

そう言ってまた綺麗に微笑んだ君菊先生を見て、私はとてつもない頭痛に襲われたのだった。


第八章 動いた心

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春風