君の鼓動と僕の鼓動 - 春風



沖田総司先輩の印象は、あまり悪くなかった。どちらかと言えばむしろ良いぐらいで、千鶴から聞いていた人物像からは想像もつかない。


「は?じゃなくて、千鶴に何したって聞いてるんだけど」
「…何で千鶴ちゃんのことを君が聞いて来るの?」

けれど、一筋縄ではいかないだろうと、本能的にそう感じる。この嘘臭さ満載の笑顔の裏には、何かが隠されている。私は直感的にそう思ったんだ。
こんな裏のありそうな男のことだ、私は直球に問い質すことにした。


「最近、千鶴がずっと休みなの。最初は風邪だと思ってあまり気にしなかったんだけど、あまりに長いから問い質してみたら……」


そこで一旦言葉を切り、私は目の前のこの男を睨み付ける。


「…アンタ、千鶴に無理矢理ヤったんだってね。千鶴は、そのショックで学校に来れてないのよ」
「………」


沖田の翡翠色の美しい目が、じっと私を見つめる。その沈黙が、何故だか妙に長く感じた。

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春風