君の鼓動と僕の鼓動 - 春風



「これ、あなたに渡してて下さいって、東雲さんからよ」


結局、昼休み後からは授業が詰まっていて、再び僕が保健室に来れたのは全て授業が終わった後だった。
案の定、既に蘭ちゃんは学校を早退していて、保健室にはいない。君菊先生から、胴着と小さなメモを受け取って、メモを開いた。


“沖田総司へ

私をここまで運んでくれて、どうもありがとう。そしてごめんなさい、重たかったでしょ?
それに胴着、返すのが遅くなってしまって、しかもこんな形になってしまってごめんなさい。また相手してくれたら嬉しい。

東雲蘭”


素っ気ない文章だったけど、僕の頬は自然と緩む。

ねぇ蘭ちゃん、全く重たくなんてなかったけど。君の体重を重たいなんて言う男がいたら、お目にかかって見てみたいよ。


そして僕は、一番気になっていたことを君菊先生に聞いてみた。


「結局、蘭ちゃんどうやって帰ったかご存じですか?まさか、一人で?」
「いいえ。……その―」
「総司!!」


すると、鋭い声と共にいきなり扉を開けて入って来た一君。一君は、ツカツカと僕の所に歩いて来るなり、僕の腕をガシッと掴んで言った。

あぁ、ホントおかしいぐらい糞真面目なんだから。


「SHRの始まる時間だと言うのにどこにいる。もう行くぞ」
「ハイハイ。ねぇ、また土方先生に言われて呼びに来たの?一君も暇だよね」
「断じて暇などではない。それに―」


―――土方先生は用事があって、今日のSHRは代理の先生だ。


「………え………?」


その言葉に、僕は反応した。

まさか、まさか…?嫌な予感が、頭を巡る。これなら、ピースが当て嵌まるよ、ね。


―――蘭ちゃんを家まで送ったのは、土方先生だ。

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春風