君の鼓動と僕の鼓動 - 春風



「誰が言ってたの!?その情報の出処教えて!!?」
「い、いや、誰とかじゃなくてさ!………え、違うの?」
「当然!」


私のその一言に、沖田はホッと一息吐いた。


「良かった………」


とにもかくにも、誤解は解けたらしい。でも、私の中には、まだまだたくさんの疑問が残っている。


「………何で、アンタが良かったなんて言うの?」
「…蘭ちゃんは、まだ知らなくていいよ。じゃあね、僕もう帰るから、ゆっくり休んでね」
「………言われなくてもそうするけど」
「だよね、蘭ちゃんならそう言うと思った。紅茶ご馳走様、僕アールグレイ好きだから嬉しかったよ」
「……そう」
「体調が戻ったらまた手合わせしてよね。じゃあ、明日学校でね」


そう言って妙に清々しい表情をした沖田は、さっさと玄関先から出て行った。

沖田の出て行った後の部屋は、まるで嵐の去った後のように静かだった。けれど、私の脳内は荒らされたまま。


「………訳、分からない」


ポタポタと髪の先から規則的に落ちる雫の音だけが、私の耳にはやけに大きく聞こえた。

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春風