お風呂も入り皆ほかほかとなったその夜。
ナミからの提案にみんな目を丸くした。
「今夜!?」
ナミが提案したのは、出ていく日にちの事。
それが今夜という急な日で、ビビは知っていたのか驚きはない。
驚いているのは主にウソップやチョッパーだが、二人の声にナミは頷きを見せた。
「ここ出るのか…」
「ま、おれも妥当だと思うぜ。永いする理由はねェからな」
「…そうだな海軍の動きも気になる」
「船、取られてないといいけど…」
「不吉な事言うなよアスカ!…ルフィ!お前が決めろよ」
「よし!も一回アラバスタ料理食ったら行こう!」
「すぐ行くんだよバカ野郎!!」
サンジもゾロも、そしてアスカも、なんとなくそうした方がいいとは自分たちも思っていた。
ナミの言葉に賛同し、船長も頷いたためウソップとのコントを横目にそれぞれみんな着替えて荷物をまとめ始める。
「………」
ビビはそれをただ…見つめていた。
宮殿にある多くのうちの一室。
そこにはイガラムとチャカがいた。
チャカは慌てて部屋に入りイガラムに"あるもの"を見せ、机に置かれたそれを見たイガラムは目を丸くし唖然とする。
「どうしましょう!イガラムさん…!すぐに彼らに伝えねば…!!」
「ああ勿論だ…!」
二人が見ていたのは三枚の紙。
そこには目を疑うものが書かれていた。
「しかしこれは大変な事になってきた…無事にこの島を出られるとよいのだが…何と手回しの早さ…!!!この額ならば『海軍本部』の"将官"クラスが動き出す…!!」
2人が見ていたモノには…
モンキー・D・ルフィ 懸賞金1億べリー
ロロノア・ゾロ 懸賞金6千万ベリー
アスカ 懸賞金8千万ベリー
3人の賞金リストだった。
イガラムはその部屋を出てルフィ達がいる部屋へと急ぐ。
「……もう後には引けんぞルフィ君…!君達は"七武海"の一角を落としたのだ!!」
手回しの速さに疑問を抱くが、上がった理由としてはやはりこの国の内戦だろう。
自分たちの国を救ってくれた人物だというのに何もできない悔しさと焦りでイガラムは足を速める。
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