(144 / 293) ラビットガール (144)

"偉大なる航海"にある、海軍本部。
その本部から慌しく海兵達が誰かを探して走り回っていた。
海兵の一人が上官を見つけ、慌てた様子のまま報告する。


「中将!!やはりおられません!!!」

「おられませんで済むか!!どこへ行ったんだ!あの人は!!!」

「自転車がありませんのでおそらく…海へ…」

「"あの方"と"五老星"に連絡を!!!」


"あの人"を探すよう命じて結局見つからず、更にはいつもの如く"あの人"が愛用している自転車がないという報告に、中将は頭痛が走る。
頭を押さえながら部下にいつもの報告を出した。







ガシャン、と音をさせ伝電虫の受話器を置く五老星である老人達は眉を顰めていた。
報告内容は頻繁にあるが、その内容が頭を悩ませるものであるためか皆一同眉間にしわを寄せている。


「……またあの男か…どうせ見物だろう…」

「まったく自分の立場をどう考えておるのか…そう易々動かれてはたまらん!―――『海軍本部』最高戦力・青キジ!」


この報告を聞き、五老星達は何回目かもう数えるのをやめた。
溜息をつきながら『だが…』と一人が零す。


「だが、"あの者"が出てくれるようだから…一先ず数日帰ってこぬことはないだろう…」


その言葉に他の老人達は納得するように頷いた。

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