(148 / 293) ラビットガール (148)

出場者は8人。
出場者は8人ということで1人あぶれてしまうのだが、主にナミ・ウソップ・チョッパーが出場したくないと揉め、結局クジでチョッパーが出場しないでいいと出た。
大喜びするチョッパーの傍らで思いっきり落ち込み項垂れるナミとウソップがいた。
因みにミコトも面白そうだからと参加希望となり、アスカもミコトにいいところを見せたいという事で立候補した。
だがやはりナミとサンジが怪我を理由に反対するが、『大丈夫!!シュラハテンから降りないから!!』と言い切って結局参加を許してしまう。
アスカはサンジとゾロが居る2番目のグロッキーリングに参加登録をし、ミコトは3番目に参加登録する。







最初はナミ・ウソップ・ロビンの3人が出るドーナツレースである。
司会者もいるらしく、司会者は大きなスズメに乗って上空から実況するらしい。


≪さぁさぁまずは海岸づたいの島1周妨害ボートレース"ドーナツレース"!!手作りボートの木材はオール2本、空ダル3個!!それ以外の部品を使っちゃその場で失格!!…なお、司会は私フォクシー海賊団宴会隊長イトミミズが"南の海"の珍獣、"超スズメ"のチュチューンに乗って空から状況をお伝えするよ!!≫

「まぁ、大きなスズメ」

「そうですね!お姉さま!」


ミコトは超スズメを見上げ、アスカはそれに頷いてミコトに引っ付く。
それはミコトがいるときの日常なのだが、普段のアスカしか知らないルフィ以外のメンバーはその変わりように若干引いていた。


≪まずは麦わらチーム!!航海士ナミ!!狙撃手ウソップ!!考古学者ロビン!!乗るボートはタルタイガー1号!!≫

「これ沈まない?」

「きっと沈むわ」

「だからおれは船大工じゃねェんだよ」


船大工ではないウソップが船を制作したようで、この勝負はタルで船を作るルールらしくウソップの横についているフォクシーチーム側もタルを利用して作っていた。
今にも沈みそうな不安定な船にナミもロビンも心配そうに船を見ていた。


≪さぁそして、フォクシーチーム代表は我らのアイドルポルチェちゃん!!率いるはカジキの魚人カポーティ!ホシザメのモンダ!乗るボートはキューティワゴン号!!≫

「ちょっと…サメって…!魚じゃない!!」

「いやん!魚がダメだというルールはないわ!」


ナミ達の乗る船は手扱き船…それに対してフォクシーチームの船にはサメが先頭を率いており、魚で引っ張るというフォクシーチームのズルさに文句を言う。
しかし、確かにルール違反ではないため、ポルチェの言葉にナミは悔しそうにしながらも返す言葉もなかった。


≪さぁ両組スタートラインへ!!≫

「沈めてあげる」

「やってみなさいよ!!」


両者睨みあい、試合は始まった。







≪ここで一発ルールの説明!!この海に浮かぶロングリングロングランドを一周せよ!以上!!なお、銃・大砲・爆薬・カトラス凶器は何でもOKだァ!!卑怯だと何だと抜かした奴ァ海賊の恥と知れ!!!≫


この勝負を知らない麦わら海賊団のために司会者はこのゲームの説明を一応した。
その説明を聞いているのか聞いていないのか分からないルフィはウソップ達を大声で応援し、アスカもミコトの傍で珍しくも大声で応援していた。


「レースになるのか?」

「さぁ…?」

「まぁ海賊ルールですもの、仕方ないですわ」

「おうコラ、ウソップ!!レディ達に何かあったらオロすぞ!!」

「負けんな〜!ウソップ!ナミ!ロビンー!!」

「わくわくしてきたぞ…!!」


魚に引かせる船と、完全手扱き船…勝負がどちらかとかければ当然前者である。
ゾロの言葉にアスカは首を傾げ、ミコトも肩をすくめる。
三人以外は声を上げて応援し、サンジ至ってはナミとロビンの安全しか願っていない。
するとイトミミズがナミ・ポルチェに1つずつ永久指針を渡す。
これは島から離れても遭難しないためらしい。
それを渡されている時点でアスカは波乱の予感がしていた。


「スタートしたら島から離れましょう」

「そうだな、それが一番だ…!」

「島から離れる!?なんでそんな遠回りを…インを攻めて最短で行くわよ!」

「いーや…それがそうもいかねェ!」

「そうもいかないって…何で!?」

「スタートと同時に島から離れるべきだ!!」

≪レディ〜〜〜〜〜イ≫

「だから何で!!?」

≪ド〜〜〜ナツ!!!!≫


ロビンとウソップはスタートの合図と共に島から離れるべきだと言うが、ナミから見たらそれは愚策だとしか言いようがなかった。
距離が長いほど大回りでしかなく、ウソップ達の策には乗れず理由を聞こうとしたとき――試合開始の合図が下された。
その瞬間、ドン!ドン!と大砲が数発ナミ達に向かって撃たれる。


≪両チーム一斉にスタート!!!――と同時にフォクシー海賊団お邪魔攻撃!!タルタイガーは吹き飛び出足リードはキューティワゴン!!≫


大砲の威力で波が高くなり、大砲が落ちた水柱にウソップ作のタルタイガーは宙を舞う。
そしてナミはようやくウソップとロビンの言葉を理解した。


「な……ちょ…ちょっと反則よ!!!部外者の攻撃なんて!!!」

「たた!た、立て直せ!!沈んじまう!!!」


タルタイガーは運よく転倒する事はなく何とか3人とも無事だが、ポルチェ達とは大分引き離され、何とか立ちなおしたと思いきやまた大きな岩が飛んでくるという妨害があった。
それはなんとか漕いで転覆を免れたが、ナミは怒り狂っていた。


「なんなのよ!!これって絶対反則でしょ!!?」

「妨害は海賊競技の常識だ!!あいつらにとっちゃ反則じゃねえんだろ!」

「なにそれ!!納得いかないっ!!」

「でも援護が許されてるのなら…条件は同じじゃない?」

「え?」


同じ海賊なのにこうも考え方が違うところを見せられるとナミは怒りというよりキレそうだった。
元々海賊嫌いというのもあったのかもしれないが、ウソップの言葉にかみついているとロビンがある方へ指さしているのが見え、その指差す方へ目を向けると、そこには…


「ナミさん達に何しとんじゃコラァァ!!」

「「「ギャ〜〜!!」」」

「あらあら、オイタは駄目よ」

「「「は〜〜い!!」」」


悪質な妨害に観客であるサンジが大砲を持つ海賊達を蹴り、ミコトも何もしないが近くで大砲を撃っていたサンジに蹴り倒された海賊とは違う海賊達に注意し、穏便にやめさせた。
海賊たちは絶世の美女に咎められデレッと鼻を伸ばして大砲を捨て…そして同時にサンジも鼻を伸ばしデレンデレンとなっていた。


「よし!!追い上げるぞ!!!」

「大分先行かれてる!!早くギャラリーから離れよう!!」


サンジやミコトが止めてくれたとはいえ、いつまで効くか分からない。
そのためナミ達ができるのはせめてギャラリーから離れる事である。
必死に漕いで追いつこうとするナミ達を見てポルチェはクスリと笑いカポーティに"魚人空手"を見せてやれと声をかけ、カポーティはその通りに魚人空手を繰り出し、海面を割る。
その威力に焦りながらもウソップが反撃として"火炎星"を放つも、カポーティに軽々と消されてしまう。


「ぬーーー!!!!」

「"八輪咲き"…」


軽々と消されたウソップは悔し気にし、今度はロビンが能力を出す。
ロビンの"八輪咲き・フリップ"によってカポーティは気を失ってしまった。


「やった!今の内!!ウソップ!あんた泳いで船引っ張るのよ!!」

「無茶言うな!!!」


カポーティと共にサメも気を失ったため、今のうちに進むチャンスが出来た。
ナミの相変わらずな無茶振りにウソップもツッコミを入れ、結局地道に漕ぐことになった。


「よっしゃー!行けー!おめェら!!!」

「頑張れよー!!!」

「流石ルー君とアスカのお仲間さんね」


観客席はないが、観客として見ていたミコトはナミ達の悪運の強さに楽しそうに見つめていた。
ルフィも応援しながら姉のミコトに褒められ嬉しそうに笑い、その笑みに釣られてミコトも笑みを深める。
すると不意にコソコソと何処かへ行こうとするフォクシーとハンバーグに気づいたのだが、ミコトはルフィ達には何も言わなかった。


≪さァさァ!!序盤から外部も選手も大暴れ!!波乱の幕開けド〜〜ナツレース!!!先行くのは可愛いキューティワゴン号!それを追うタルタイガー号!!まだまだレースは始まったばかりだよー!!≫


実況や外野の声を聞きながら、ナミとウソップとロビンは必死に漕ぐ。
ウソップがあるものを取り出し、そして……







「アハハハ…!このままゴールへ行こうかしら、それとも沈めちゃう?」

「のんびりゴールするのもたまには悪くねェがおれはあの女に仕返ししてェな!!やられっぱなしで勝ってもシャクだぜ!」


手漕ぎのためチャンスと言ってもまだ彼らとの距離はある。
その間に気を失っていたカポーティが目を覚ましてしまい、またあっという間に距離を置かれてしまった。
ポルチェとカポーティが手漕ぎで進むナミ達を笑おうとしたとき―――背後からあっという間にナミ達に抜かれてしまった。


「な、何!?あのスピード!!」


そのスピードに二人は驚く。
しかし、少し先でタルタイガーは突如止まってしまった。
突然のスピードの理由は、空島で手に入れた"インパクトダイヤル"だった。
手にインパクトダイヤルを付け、ウソップは一瞬だが距離を縮めたどころか抜いたのだ。
しかしその距離もあっという間にポルチェ達に抜かれてしまい、ロビンが能力を使って引っ張ってもらったりとしていたのだがそれがバレてしまったりなど中々いい勝負ではあったのだが、ナミ達の前に"ロングサンゴ礁"が迫っていた。


≪前方に見えるのはコースの難関!!"ロングサンゴ礁"地帯!更に奥には"ロング岬"そこに渦まく"ロング渦"が待ち受けているよ!!両組どう切り抜けるのか!!≫


この島はサンゴ礁までもが長いらしく、サンゴ礁は海面を突き出ていた。
そのせいで海流がおかしくなっており、あそこだけ渦のようなものがいくつも出来ていた。


≪あ〜!!あれは〜〜〜〜〜っ!!!≫

「なに?」


それに気を取られていると実況の男の声に三人ともハッとさせ上にいる実況を見上げる。
実況の指さす方へ目をやればそこにはそこにはフォクシー海賊団の船長、フォクシーとフォクシーを乗せたハンバーグが走っていた。


「オヤビーーン!!!」

≪"四速ダッシュ"の奇人ハンバーにまたがって!!さっそうと登場したのは!そう!お邪魔の天才!!正当なんて許さない悪名高き我がオヤビン!銀狐のフォクシ〜〜〜!!≫


実況の説明もあり、その場は歓声で盛り上がる。


≪今日ォ〜も悪い顔してる!!悪いことを思いついた顔だ!!≫

「あいつ!敵の船長!!!」



悪いこと考えたぜ

≪オヤビ〜〜ン!!≫


その時のフォクシーの悪い顔にアスカは自然と眉をひそめたがミコトはただ笑っているだけだった。

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