ナミは流石航海士と言うところだろうか…サンゴ礁のせいで複雑な海流となりポルチェ達が行ったり戻ったりを繰り返す中、ナミ達はスイスイサンゴ礁を抜けていく。
更には邪魔しに来たフォクシーの幼稚で誰も騙されないような妨害をも突破していく。
「ホント!バカばっかり!!こんな奴らに敗けたら恥かしくって生きていけないわ!!」
「おまけに仲間を取られるんだ!尚更さ!!」
≪さァレースは3分の2を越えていまだタルタイガーリード!!!そしてさしかかるは"ロング竹林岬"!ここを超えるとゴールは目前!!スパートだよー!!≫
「本当だ!ゴールが見える!!」
実況の言葉通りならば今度こそ目の前のゴールは本物らしい。
途中海辺の近くで生えていた竹を数本ウソップに倒してもらい、魚人のカポーティを気絶させることに成功する。
しかしそれに怒ったポルチェが"お花手裏剣"をナミ達に向けて放ち、そのせいでナミ達の船に穴が開いてしまった。
「大変!船に穴が!!」
「平気!持つわよ!それより見て!!もうゴールは目の前!!逃げ切れるわ!!」
穴が開いた場所から水が入ってきた。
それに能力者であるロビンが見つけるが、目の前にはすでにゴールが迫っている。
まだ間に合う、とラストパートをかけるため、ナミ達は一気に漕ぎ出す。
≪さァ!!デービーバックファイト1回戦!『ド〜〜〜ナツレース』!!!今まさに決着の時を迎えようとしているよ!!≫
カポーティが気を失っても、まだサメが残っておりポルチェは急いでナミ達を追いかける。
ナミ達はそれに気づき漕ぐ速さも速めた。
このままでは自分たちのチームが負ける、と思ったフォクシーはハンバーグと共に急いででナミ達の横に着こうとした。
それに気付いたアスカは眉を潜める。
「あいつらまた…!…―――ってお姉さま?お姉さまどこ!?」
また悪巧みをしようとするフォクシーに舌打ちをしていると横に居た愛しいミコトが居ない事に気付き回りを見渡す。
しかし、愛するミコトの姿はどこにもなかった。
「お姉さま〜〜っ!!?」
いつもならアスカの声ですぐに来てくれるミコトだったが、今回は全く姿が見えず声も聞こえない。
それに気落ちしていると海賊達がニヤニヤと笑いながらルフィ達に話しかけてくる。
「おしかったな!お前達!」
「何で!?勝ってるだろ!!」
「ギャハハハ!今はな…見ろ!オヤビンが来た。オヤビンもお前と同じく…悪魔の実の能力者なんだ!」
「能力者…?」
海賊達の言葉に首を傾げながら前を見ると、フォクシーが何やら手をナミ達に向かって伸ばしていた。
「"ノロノロビーーム"!!!」
「!!?」
そう言ってフォクシーの手から何か超音波のようなものが出てきており、その光線はまっすぐナミ達に向けられる。
不意打ちの光線を当たってしまったナミ達は突然動きが遅くなった。
それにルフィ達が驚いていると…
「んな!?ポルチェちゃーん!?」
「いやん!なんで私達もノロくなってるの!?」
ポルチェ達も同じく動きが遅くなっていた。
フォクシーはポルチェ達にノロノロビームを浴びさせた覚えがないため、唖然とする。
「フフ…」
「どわァ!!!?お、お前いつの間におれの横にいやがったっ!!!!」
しかし、横から鈴を転がしたような笑い声に目をやると絶世の美女がフォクシーの立っていた。
フォクシーのように手を前に出して桃色のショールのような羽衣で口元を隠していた。
その姿に頬を染めるもフォクシーとハンバーグは距離を置く。
「あなただけ邪魔して、わたくし達は出来ないのは悔しくて…許してくださいな」
「ゆ、許す!!可愛いから許すぅ〜!!!」
「「「オヤビンーーーー!!!?」」」
コテンと可愛らしく小首をかしげるその姿にフォクシーとハンバーグは目をハートにして即許した。
「おい!ウソップ!ナミ!ロビン!どうしたんだ!!」
「大丈夫か!?」
「……………何がどうなったのか…」
「おい!おれ達ァ…負けたのか!?」
「引き分けですわ」
「「「!!」」」
「お姉さま!」
「姉ちゃん!!」
状況が理解していないナミ達の元にミコトが戻って来た。
結局試合は引き分けとなり終わった。
「引き分けって…それよりあの男よ!!あの男の手から光を浴びて…体の自由を奪われた………というより私達とその周りの全ての動きが…遅くなった…船も、波も…」
「全て元通りになった時にはもう…」
ナミとウソップとロビンは座り込み、特に誰よりも仲間を失うのを嫌がっていたナミとウソップは肩を落としていた。
そんな3人をチョッパーは怪我はないと心配し、ルフィは騒ぎ立てるフォクシー海賊団達を睨みつける。
「あいつら何したんだ!!?」
「フェ〜〜フェッフェッ!!何も不思議がることはねぇよ!その原因は"ノロマ光子"!!」
「"ノロマ光子"だと!?」
「この世に存在するまだまだ未知の粒子だ!!この光を受けたものは生物でも、液体でも、気体でも…!!他の全てのエネルギーを残したまま物理的に一定の"速度"を失う!!」
「分からん!!バカかお前!!!」
「逆切れだ…!!」
「いやん!オヤビン!!!」
フォクシーの説明を理解できなかったルフィはフォクシーに声を上げ、再びフォクシーを沈ませる。
もはやこの流れはお決まりになりつつあった。
「でも…そんなバカな事が…」
「あり得ない!?わかっている筈だ!この海で…そんな幼い言葉は通じねぇ!"触れたものみなノロくなる"それが"ノロマ光子"!!」
「あぁ、そうやって言えばわかるよ。おめェ」
「おれは"ノロノロの実"を食ってそいつを体から発せられる"ノロマ人間"になったのだ!!!聞くよりも見ろ!この威力!!!」
フォクシーは何を思ったのかハンバーグに大砲を自分に向けさせ撃たせ、フォクシーはその大砲の玉に向かって"ノロノロビーム"を放つ。
ノロノロビームに触れたその大砲は先ほどまで目に見えないほどの速さだったのに、そのビームに触れた瞬間に宙に浮いているようにゆっくりと流れている。
それはさながらスローモーションのようだった。
「光を浴びた全てのものが減速する…人間がこの広い海のどれだけの理屈を知っているというのか…!!このノロノロの効果は約30秒だ。その後速度を取り戻す。何事もなかったように!目を疑うだろう!これが…!!ノロノ―――、」
ノロノロビームとは、その名の通りのろのろとした動きになるビームを撃つことらしく、それを聞いて実体験したナミ、ウソップ、ロビンは『それで…』と納得する。
すると説明している途中に30秒立ったのか、少しずつ近づいていた砲弾が本来の速さに戻り、フォクシーは砲弾に当たってしまう。
「ど、どうだ…!!おれの恐ろしさがわかったか…!!…おれはノロノロの実をを食べたノロマ人間…悪魔の実は一度他の人間が食べればその者が死なねェかぎり同じものは出ない!!それなのにお前はなんでおれと同じノロノロビームが使えるんだ!!!お前は何者だ!!」
黒焦げになっただけで済んだフォクシーはそう言うとビシッとミコトにむかって指さす。
ナミ達もそれは疑問に思っていたのか、その場にいる全員がミコトに目線を向けており、指差されたミコトは目を細め…
「やってみたら出来ましたの」
「「「そ〜なんだ〜〜!」」」
コテンと小首を傾げ、更には『エヘ☆』と舌を出して惚けるミコトにフォクシー達はデレー、とした顔で納得する。
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