(151 / 293) ラビットガール (151)

≪さァ!"ボールマン"サンジは敵陣でどう動く!?引くか攻めるか!≫

「やるどーーー!!!」

≪まずは行った〜〜〜!!『タクルマシーン』ピクルス!!!≫


笛がなったのと同時に敵陣にいるサンジにピクルスが突っ込んでくる。


「よーし、おれが一人で片ァつけてやる…!麗しいレディを見す見す渡してたまるかよ!!」


何もミコトが奪われそうになって怒りを覚えているのはアスカとルフィだけではない。
全ての女性を愛するサンジも頭に来ていたのだ。
サンジはタックルしてくるピクルスを飛び越え、真っ先にボールマンであるビックバンを目掛けて蹴り上げようとする。
しかし、ビックバンの手に足を乗せたその時、ヌルヌルしたもので足を取られ、落ちないように必死に走っていた。


「な…何だ!?こいつの皮膚…ぬるぬるするっ!!」

≪突き出したビックバンの腕で滑るコック!サンジ!!そりゃそうだね!ビックパンはドジョーの血を引く"魚巨人"肌はぬるぬるだ!!≫

「何やってんだてめェは!アホか!!」


巨人だけでも厄介なのに、更に魚人の血もちゃんと継いでいるビックバンの肌は掴むこともできないほどヌルヌルだった。
敵の腕の上で永遠と足を動かすサンジにゾロはツッコミ、誰でもないゾロにツッコまれサンジはカチンと来た。
足を止めたくても止めれない状態でも喧嘩できる余裕はあるのか、ゾロのツッコミに振り返りながら『誰にアホっつった!!』と叫んだ。
その隙を突き、ビックバンはサンジを拳を振って吹き飛ばした。


≪でたーっ!!ビックバンの超ロングパス〜〜!!!≫

「うわーー!!サンジ〜〜〜!!!」


観客のルフィ達の声を聴きながらゾロは綺麗なフォームを描き飛んでいくサンジを見上げながら走り、アスカは黙って飛ぶサンジを見上げているだけで今は動く気配は見せない。


≪落下地点に回り込むのはリーダーのハンバーグ!!…と、ロロノアもいるよっ!!≫

「てめェゴールなんかされやがたら叩っ斬るぞ!!」

「うるせェ!てめェがゴチャゴチャと…」

「……………」


相変わらずの二人は喧嘩をしながら試合を続ける。
喧嘩していると球印であるサンジを追うゾロにピクルスがタックルし、カットしてしまいその隙にハンバーグはサンジを空中でキャッチし勢いをつけてそのまま投げる。


「ぷぷっ!!!ゴリラスロー!!!」

「あぁぁぁぁ!!!!」


サンジが一直線に投げられるその下ではピクルスがサンジを追い、そのピクルスをゾロが追う。
しかし…


「「「アスカ!!!」」」


シュラハテンが身体を伸ばし、シュラハテンに乗っていたアスカが飛んでくるサンジをキャッチした。
なんとかサンジがゴールされるのを防げたとホッとしたその時―――…


「死ねや!クソゴリラーーーーーー!!!!」

「ギャーーーーー!!!!!」

「「「サンジーーーーっ!!!??」」」


なんと、サンジをキャッチしていたアスカがそのままハンバーグへと投げ戻し、その勢いで二人とも落下した。
手をウサギにして力いっぱい遠慮なく投げたためか、ハンバーグとサンジは気絶していた。


「お…おい!!アスカ!!?お前なにやって……」


まさかの味方の裏切り?にゾロが呆気に取られアスカへ振り返る。
しかしそこにはシュラハテンはいても肝心のアスカはいなかった。
『どこいきやがった!?』とアスカを探していると…アスカはいた―――ピクルスの前に。
いつの間にかシュラハテンから降りてピクルスの目の前に駆け寄っていたアスカは出来る限り小さくしゃがんでいた。
そして…そのまま蹴り上げた。
それだけでは終わらず、アスカはそのまま足をウサギにした後飛び上がる。
その高さはピクルスと同じ高度であり、アスカは足を天高く上げ、そのままかかと落としをきめる。
かかと落としの衝撃+落下した衝撃でピクルスは気を失い、サンジ、ハンバーグに続けピクルスをも戦闘不能とさせる。


「んな……!?」


衝撃に耐え切れずピクルスは泡を吹いて気絶。
皆アスカの行動に唖然としている中、アスカはゆっくりと起き上がり振り返る。
その時アスカを見た海賊たちは後に少し開けた口から煙を出し、影で顔は隠れ、目は光って見え、まさに化け物…否、悪魔だと仲間達に語っていた。


≪な…なんということだ!!!ハンバーグとピクルスがたった一人の少女に数秒でやられてしまったーーっ!!!コレは前代未聞だよーっ!!≫

「おい!アスカ!!!そいつらを倒したのはいいが何でサンジまで!?っていうかなんでサンジを投げたんだ!?」


呆気に取られていたが実況の声にみんな我に返る。
アスカの鬼の形相にぞっとさせていた海賊たちは『ひい』と小さく悲鳴を上げながら腕を擦る。
ウソップの言葉にアスカは丸めていた背を伸ばし首を鳴らしながら…



「お姉さまを助けるための儚き犠牲だけど?」



堂々とし、悪くも思っていないその清々しさに一瞬ウソップは頷いてしまった。
しかしハッと我に返る。


「って堂々とすなーーー!!!」

≪なんという極悪非道!!!己の目的のために手段を選ばない冷たい女!!仲間の犠牲は当たり前だと思っている非道な女!まさに名の通り"冷酷ウサギ"のアスカ!!!!これからは極悪非道の氷ウサギと呼ぶべきだよーーっ!!!!≫

「さて…」

「げッ!!!」


実況の言葉など聞こえていないようなアスカはサンジの次は…とゾロへ目をやった。
アスカと目と目が合ったゾロはギクリとさせ、仲間なのに身の危険を感じた。
じりじりと逃げ腰のゾロをアスカは軽々と持ち上げビックバンへ投げる。


「てめ…アスカーーーーーーーー!!!!!」

「……あ…?」


二人倒れ、残ったビックバンはぼーっとミコトに見惚れており、しかしゾロの声に気付いたのか迫ってくるゾロをバシーンと叩く。


「ゾロ、ご苦労様!」

「!!」


ゾロに気を取られていたその隙にアスカがシュラハテンを棒に変え頭を打つ。
ガン、ゴン、と頭を何度も打つアスカだったが…



ピーーーーーーーッ!!!!



笛が鳴り響いて手を止める。
アスカが手を止めたので抵抗する暇もなく殴られていたビックバンは気を失っていたためかそのまま音を立てて倒れてしまった。


「武器の使用は違反だ!!!よってたいじ…がはっ!!」

「…………」

≪あぁっ!!なんということだ!!氷ウサギのアスカ!!またもや非道なことを…!!審判を殴ったよーーー!!!≫

「ひぎゃーーー!!アスカ!!てめェーーー!!!」

「あらあら…」


武器を使用したからという理由でアスカにはレッドカードが出た。
しかしアスカは真っ赤なカードを持った審判に棒を伸ばし一発入れた。
ウソップ達の悲鳴など聞く耳持たずアスカはポイッとシュラハテンを捨て、手にも怪我をしているというのに関係ないと言わんばかりにグッと拳を握りすでに気を失っているビックバンの顔面を殴り始める。


「ちょ、おま…何してんだ!!!」

「し、失格ーーー!!!!麦わらチーム失格ーーーー!!!」


ピーーー、と終わりの笛が鳴ったがアスカが止まる事はなく、ビックバンを殴り続けていた。

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